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介護福祉士はやめとけ?給料2倍の営業へ転職し失敗した私の結論

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こんにちは。福祉キャリア羅針盤、運営者の「福祉屋」です。
検索エンジンで「介護福祉士 やめとけ」という言葉を見かけて、将来への不安を感じている方は多いのではないでしょうか。ネット上には給料が安い、人間関係が悪い、離職率が高いといったネガティブな情報が溢れています。将来性が心配だったり、いわゆる底辺職のような扱いをされることに疲れて、転職を考えている方もいるかもしれません。

私自身もかつては自分の将来に悩み、一度は介護業界を離れた経験があります。「このままでは負け組になる」と焦り、給料の良い営業職へ飛び込みましたが、そこで待っていたのは予想もしない現実でした。この記事では、私の失敗談を含めた実体験と、厚生労働省などの客観的なデータを交えて、その不安の正体と具体的な対処法についてお話しします。

  • 「やめとけ」と言われる5つの理由とその真実
  • 給料2倍の営業職へ転職して分かった意外な落とし穴
  • 介護職を続けるべき人と辞めるべき人の決定的な違い
  • 資格取得とキャリアアップで年収を上げる具体的な戦略

介護福祉士はやめとけと言われる5つの理由

ネットやSNSで飛び交うネガティブな意見。なぜここまで「やめとけ」と言われるのでしょうか。その背景にある「給料」「人間関係」「労働環境」などのリアルな課題について、私の経験も踏まえて掘り下げてみます。

給料が低いから生活できない現実

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「介護職は給料が安い」というのは、残念ながら多くの場合において事実です。全産業平均と比較しても、年収ベースで数十万円の開きがあるというデータは否定できません。特に、家庭を持とうと考えたとき、この経済的な壁は非常に高く感じられます。

私自身、キャリアのスタートは無資格の臨時職員でした。大学を卒業したものの就職活動に失敗し、親戚の紹介でようやく拾ってもらえたのが地元の社会福祉法人だったのです。当時の給料は、今の水準で言えばパート程度。「雀の涙」という言葉がこれほど似合う明細書はないと思いました。

構造的な限界と劣等感

現場には、正規職員としてバリバリ働く介護福祉士の先輩たちがいました。彼らと同じように汗水たらして働いているのに、大卒で無資格、そして非正規雇用の自分には、ボーナスも昇給もほとんどありません。「自分は社会的な負け組なんだ」という強烈な劣等感を抱きながら、日々オムツ交換をしていました。

この低賃金問題は、個人の努力不足というよりも、国の制度に起因しています。介護事業は「介護報酬」という公定価格で売り上げの上限が決まっているため、一般企業のように「ヒット商品を出して給料倍増!」といったことが構造的に起こり得ないのです。

構造的な低賃金の要因
どんなに効率よく働いても、法律で定められた配置基準(利用者3人に対し職員1人など)と報酬単価があるため、人件費を劇的に上げる原資が生まれにくい仕組みになっています。これが「頑張っても報われない」と感じさせる根本原因です。

人間関係が悪く職員の性格もきつい

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介護現場は、物理的にも心理的にも閉鎖的な空間になりがちです。限られたメンバーで長時間顔を合わせ、しかも「ケアの方針」には絶対的な正解がありません。「利用者の自立のために見守るべき」という意見と、「転倒リスクがあるから手を貸すべき」という意見が衝突し、それがいつしか感情的な対立に発展することもあります。

「あの人の介助は乱暴だ」「あの人はサボっている」といった陰口が横行し、派閥ができることも珍しくありません。私が働いていた現場でも、古くからいる職員さん(いわゆるお局様)が強い発言権を持っていて、新しい意見が全く通らない空気がありました。

挨拶をしても無視される、休憩室で針のむしろのような居心地の悪さを感じる、といった「いじめ」に近い環境があるのも事実です。対人援助職であるはずなのに、職員同士のコミュニケーションが最も欠落しているという皮肉な状況が、精神を蝕んでいきます。

離職率が高く将来性がないと誤解

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「介護職は入ってもすぐに辞める」「ブラックだから人が定着しない」というイメージが定着していますが、最新のデータを紐解くと少し景色が変わって見えます。実は、介護職の離職率は年々低下傾向にあり、全産業平均と比べてもそこまで高い数字ではありません。

以下のデータを見てください。全産業平均の離職率が約15.0%であるのに対し、介護職はそれを下回る水準まで改善しています。

調査項目 離職率(%)
介護職(2職種計) 13.1%
全産業平均 15.0%(参考値)

(出典:公益財団法人 介護労働安定センター『令和6年度 介護労働実態調査』

離職率の二極化
重要なのは「平均値」ではなく「分布」です。離職率が10%を切るような「超ホワイトな事業所」と、人が入ってはすぐに辞めていく離職率30%超えの「ブラックな事業所」にはっきりと二極化しています。「やめとけ」と言われるのは、この後者のブラック事業所が強烈な悪印象を残しているからです。

夜勤や体力がきつい労働環境の実態

身体的な負担、そして何より不規則な生活リズムは想像以上にきついです。24時間365日稼働の施設では、夜勤、早出、遅出とシフトが入り乱れます。私が働いていた頃は、食事介助、入浴介助、排泄介助と、毎日が嵐のように過ぎ去っていきました。特に当時は個別ケアなんて概念も薄く、とにかく流れ作業で業務を回すのに必死でした。

何より辛かったのが「夜勤」です。私は本当に夜勤が苦手でした。夕方に出勤して翌朝まで働くスタイルは、サーカディアンリズム(体内時計)を完全に狂わせます。ナースコールが鳴り止まない夜は仮眠も取れず、明け方に感じるあの独特の気だるさと吐き気にも似た疲労感は、言葉にできない辛さがあります。

「若いから大丈夫」と言われても、不規則な生活は確実に自律神経を蝕みます。休日は泥のように眠るだけで終わってしまい、プライベートを楽しむ余裕がなくなることも、「やめとけ」と言われる大きな要因でしょう。

結婚できないという不安と底辺の噂

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「介護職だと給料が安くて結婚できない」「底辺の仕事だからパートナーに紹介できない」といったネット上の書き込みを目にすることがあります。確かに、一家の大黒柱として専業主婦の妻を養うという昭和的なモデルを想定すると、介護職の年収では厳しい現実があるかもしれません。

しかし、これは働き方とキャリア戦略次第で十分に突破可能です。実際に私は、働きながら資格を取り、正規職員へステップアップし、結婚して家庭を持つことができました。最近では処遇改善加算の影響で、以前より待遇は改善傾向にあります。

また、共働きが当たり前の現代においては、視点を変える必要があります。介護職は「リストラの心配がない」「全国どこでも働ける」「景気に左右されない」という強力なメリットがあります。この「圧倒的な雇用の安定性」は、ローンを組んだり将来設計をする上で、むしろ家庭を持つ上での強みにもなり得るのです。

介護福祉士はやめとけという助言の正しい捉え方

「やめとけ」という言葉をすべて鵜呑みにする必要はありませんが、無視するのも危険です。一度業界を離れて外の世界を見て、そしてまた戻ってきた私だからこそ語れる、後悔しないための選択肢をお伝えします。

隠れホワイト施設を見抜く重要ポイント

「介護職はやめとけ」の正体は、多くの場合「ブラック施設はやめとけ」と同義です。劣悪な環境で消耗しないためには、求人票と面接でのチェックが欠かせません。「常に求人が出ている」「給与表記に不自然に高い手当が含まれている」といった案件は要注意です。

面接で必ず聞くべき質問

面接は、事業所があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが事業所を見極める場でもあります。遠慮せずに以下の点を確認してください。

  • 有給休暇の平均取得日数:「みんな取れてますよ」ではなく具体的な数字を聞きましょう。
  • 残業代の計算方法:「1分単位」で出るのか、「15分単位」あるいは「みなし残業」なのか。
  • 夜勤の休憩状況:実際に仮眠が取れているのか、ワンオペではないか。

これらの質問に対して言葉を濁したり、「うちは忙しいから、やる気があれば関係ない」といった精神論で返してくる施設は、入職を避けた方が無難です。

異業種へ転職して成功する人の特徴

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介護職で見切りをつけて異業種へ転職し、成功する人もいます。特に、介護現場で培った「観察力」や「コミュニケーション能力」は、接客業や営業職でも高く評価されます。まだ20代であれば、未経験のITエンジニアや医療事務などにチャレンジするのも一つの手です。

成功する人に共通するのは、「介護で得たスキルを言語化できる」ことと、「新しいことを学ぶ謙虚さ」を持っていることです。「自分は介護しかできない」と思い込まず、外の世界に目を向ける柔軟性は大切です。ただし、次の章でお話しするように、「隣の芝生は青く見えるだけ」というケースも多々あることを知っておいてください。

給料倍増でも営業職への転職が失敗した理由

ここで私の失敗談をお話しします。臨時職員として2年働いた頃、「このままでは正規職員になるまで時間がかかりすぎる」「他の仕事ならもっと稼げるはずだ」と思い、介護とは全く無縁の「営業職」へ転職しました。

結果から言うと、給料は介護職時代の2倍になりました。初めて給与明細を見た時、通帳の数字が増えているのを見て驚いたのを覚えています。「やっぱり外の世界はすごい、これで勝ち組になれる」と一瞬思いました。

「ありがとう」のない世界

しかし、私はわずか3ヶ月でその会社を退職し、介護業界に戻ることになりました。理由は明確で、「お金だけでは心が続かなかった」からです。

挨拶やマナー研修を受け、意気揚々と飛び込み営業に行きましたが、そこで待っていたのは冷酷な現実でした。訪問先で「詐欺師まがい」のような扱いを受け、門前払いをされる日々。厳しいノルマと、数字だけで評価されるドライな人間関係。介護現場で当たり前だった「ありがとう」「助かったよ」という温かい言葉は、そこにはありませんでした。

「株式会社は売上こそがすべてで、自分の力がここまで試されるのか」と痛感しました。同時に、以前働いていた社会福祉法人がいかに恵まれた環境だったか、仲間がいかに素晴らしかったかを思い知らされました。「自分には、人の役に立っていると実感できる仕事が必要なんだ」と気づき、結局、私は福祉の世界に戻る決断をしたのです。

辞めない理由となる安定性と需要

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2025年問題で高齢者が急増する中、介護職の需要は爆発的に伸びています。AIが進化しても、人の温かみを伴うケアや、複雑な感情に寄り添う支援は代替できません。この「圧倒的な売り手市場」は、働く側にとって最強のカードです。

営業職で失敗した私ですが、資格さえあればいつでも介護現場に戻ることができました。40代、50代になっても、未経験からでも正社員として採用される業界は、他にそうありません。この「出戻りのしやすさ」は、人生のセーフティネットとして非常に強力です。

景気に左右されず、会社が倒産してもすぐに次の働き口が見つかる。この安心感があるからこそ、多少の困難があってもチャレンジし続けることができるのです。

男性でも年収アップを狙えるキャリア

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「男性だと家族を養えない」という声もありますが、キャリアパスを描けば年収アップは十分に可能です。私は営業から戻った後、「自分の力不足は努力で埋めるしかない」と決意し、働きながら勉強を始めました。

無資格からスタートし、まずはホームヘルパー2級を取得。そしてその先に「社会福祉士(ソーシャルワーカー)」の資格取得を目指しました。夜勤をしながらの勉強は過酷でしたが、社会福祉士を取得したことで、無事正規職員に昇格でき、給与も安定しました。その後に介護福祉士とケアマネジャーの資格を取得しています。

現場のリーダー、生活相談員、そして施設長やエリアマネージャーと階段を上がっていけば、年収500万〜600万円以上を目指すことも夢ではありません。現場業務だけでなく、マネジメントや相談援助の領域へ踏み出すことが、男性介護職が生き残るための生存戦略です。

特に社会福祉士は、汎用性が高くキャリアの幅を一気に広げてくれます。興味がある方は、働きながら取得する方法についてもリサーチしてみてください。

社会福祉士 働きながらは難しい?合格戦略を解説

夜勤回避と年収アップを叶える資格活用術

先ほどもお話しした通り、私は夜勤が本当に苦手でした。そこで考えた戦略が、「夜勤のない職種へのキャリアチェンジ」です。介護福祉士の経験を経て、ケアマネジャー(介護支援専門員)や相談員になれば、基本的には日勤のみの勤務体系になります。

多くの人が「介護職=一生オムツ交換と夜勤」と思い込んでいますが、それは間違いです。資格は、働き方を変えるためのパスポートです。

  • 介護福祉士:ベースとなる国家資格。給与のベースアップに必須。
  • 社会福祉士:相談業務のプロ。病院や包括支援センターなど活躍の場が広がる。
  • ケアマネジャー:プラン作成のプロ。デスクワーク中心で日勤のみが可能。

私は優先順位を決めて資格を取りましたが、資格を取るだけで給料が上がり、身体的な負担が減り、土日休みの仕事に就けるようになります。現場の仕事が辛いなら、辞めるのではなく「資格を取って役割を変える」という選択肢を強くおすすめします。

他職種でも活きる介護の対人スキル

物を売っていた営業職時代、唯一役に立ったのは研修で学んだ「挨拶」や「マナー」でした。しかし逆に考えれば、介護現場で培った「相手の立場に立って考える」「信頼関係を築く」というスキルは、どの職種に行っても通用する普遍的な能力です。

現在私は当時とは違う営業の仕事をしていますが、ケアマネジャーさんや行政の方、医療関係者など、年間300人以上の方とお会いします。その時、介護現場を知っているからこそ話せる共通言語があり、相手の苦労を理解できる共感力があり、それが信頼に繋がっています。

「介護なんて誰でもできる」なんてことは決してありません。認知症の方の言葉にならない訴えを汲み取り、家族の不安に寄り添う経験は、高度なコミュニケーション能力を養います。ここで得た対人スキルは、一生モノの財産になるのです。

現場作業だけで終わる介護福祉士はやめとけ

あえて強い言葉を使いますが、「思考停止して、ただ言われた通りに現場作業を繰り返すだけの介護福祉士」なら、やめておいた方がいいかもしれません。それは、ただの消耗戦になってしまうからです。

私は無資格時代、仕事が終わった後に片道30分かけてホームヘルパー2級の研修に通いました。体はくたくたでしたが、そこでの学びは新鮮で、視界が一気に開けたのを覚えています。「なぜこの介助が必要なのか」「どうすれば利用者が楽になるのか」という理論を知ることで、作業が「ケア」へと昇華されました。

資格を取り、法律を学び、ケアマネや社会福祉士とステップアップすることで、現場の視点だけでなく、制度全体を俯瞰する視点を持てるようになりました。現状に満足せず、貪欲に知識を吸収し、資格という武器を増やしていく。そういった働き方ができるなら、介護職は非常に奥深く、面白い仕事になります。

介護福祉士はやめとけの真偽を見極めよう

結論として、「介護福祉士はやめとけ」という言葉は、無思考に搾取される労働者への警告としては正しいと言えます。ブラックな環境で、資格も取らず、ただ漫然と働くだけでは、低賃金と重労働に押しつぶされてしまうでしょう。

しかし、戦略を持ってキャリアを築こうとする人にとっては、必ずしも当てはまりません。介護業界は、努力して資格を取れば確実に処遇が上がり、働き方を選べるようになる「わかりやすい世界」でもあります。

どうせ働くなら、現場から始まって、どんどん知恵を広げて、自分自身の価値を高めていってほしいと思います。私自身、一度離れて戻ってきたからこそ、この仕事の尊さと可能性を再認識しています。情報のノイズに惑わされず、ぜひあなた自身の羅針盤で、納得のいくキャリアを選んでください。

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