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ケアマネジャーに相談できること総まとめ!費用や変更方法も解説

窓際で不安そうな表情を浮かべる女性と、介護の悩みに関する問いかけ

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こんにちは。福祉キャリア羅針盤、運営者の「福祉屋」です。ご家族の介護が始まると、右も左も分からなくて不安になりますよね。特に、介護の司令塔とも言える「ケアマネジャー」に、どこまで頼っていいのか迷うことはありませんか?

実は、ケアマネジャーに相談できることは、介護サービスの調整だけではありません。例えば、退院時のカンファレンスで何を聞かれるかの準備や、独居の親の見守りに関する不安、さらには頑固な親への説得まで、多岐にわたります。一方で、医療行為や金銭管理など、明確にできないことも存在します。この記事では、相談にかかる費用や、担当者への苦情の伝え方、変更理由のマナーなど、なかなか人には聞けないリアルな悩みも含めて、ケアマネジャーとの上手な付き合い方を網羅的に解説していきます。

  • 介護サービスの利用調整だけでなく、住宅改修や親の説得など幅広い相談領域が理解できる
  • 医療行為や金銭管理など、ケアマネジャーの業務範囲外となる「できないこと」の境界線がわかる
  • 相性が合わない場合の変更マナーや、苦情を伝えるべき適切な窓口について知ることができる
  • 相談自体にかかる費用や、信頼関係を築くための具体的なコミュニケーション術が学べる

ケアマネジャーに相談できることの具体的内容

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ここでは、ケアマネジャーが本来の業務として対応してくれる相談領域について深掘りします。単なるサービスの手配だけでなく、生活全体のコーディネートや、家族だけでは抱えきれない悩みの解決に向けたサポートなど、意外と知られていない活用法も含めて見ていきましょう。多くの人が「えっ、そんなことまで相談していいの?」と驚くような領域まで、実はカバーしていることがあるんです。

介護サービスの調整や生活環境の整備

「お風呂が大変」という悩みに対し、身体機能・環境・意向から原因を探り、デイサービスや福祉用具などの解決策を導き出すプロセス図

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ケアマネジャーへの相談で最も基本かつ重要なのが、介護サービスの利用調整と生活環境の整備です。しかし、これは単に「ヘルパーさんを呼びたい」「デイサービスに行きたい」という要望を、空いているスケジュールにパズルのように当てはめるだけの単純作業ではありません。ケアマネジャーは、利用者さんご本人やご家族の「これからどう暮らしていきたいか(生活の目標)」や、これまでの生活歴、性格、そして家族の状況までを深く聞き取り、それを実現するための独自の設計図(ケアプラン)を作成するプロフェッショナルです。

例えば、「お風呂に入るのが大変になってきた」という一見単純な相談一つとっても、ケアマネジャーの頭の中では専門的な視点で様々な分析(アセスメント)が行われます。

  • 身体機能の分析:浴槽をまたぐ足の力が弱っているのか? それとも洗身する体力が続かず疲れてしまうのか?
  • 環境の分析:自宅の浴室の手すりの位置は適切か? 床の素材が滑りやすくないか? 温度差(ヒートショック)のリスクはないか?
  • 意向の確認:本人は気兼ねなく自宅で一人で入りたいのか、それともデイサービスのような人の目がある場所で安全に入浴したいのか?

このように、「困りごと」の背景にある真の原因を探り出し、以下のような具体的な解決策をオーダーメイドで提案してくれます。

相談内容(困りごと) ケアマネジャーによる具体的な解決策の例
入浴や排泄が大変
  • 訪問入浴サービスの導入(看護師らが専用浴槽を持ち込む)
  • 通所介護(デイサービス)での入浴介助の利用
  • 福祉用具(シャワーチェア、浴槽台、ポータブルトイレ)の選定・導入
家事ができない・買い物が辛い
  • 訪問介護(生活援助)による掃除・洗濯・調理代行
  • 栄養バランスを考慮した配食サービスの紹介(介護保険外含む)
  • ネットスーパーの導入支援や、移動販売車の情報提供
家の中で転倒しそうで怖い
  • 住宅改修(リフォーム):手すりの取り付け、段差解消、開き戸から引き戸への変更など。申請に必要な「理由書」の作成や施工業者の手配までサポートしてくれます。
  • 福祉用具貸与:歩行器、手すり(工事不要タイプ)、介護ベッドのレンタル手配。

特に重要なのが「住宅改修(リフォーム)」です。「玄関に手すりを一本つけたい」という場合でも、介護保険を使えば費用の1割〜3割負担で工事が可能です(支給限度基準額20万円まで)。この申請には「なぜ医学的・機能的に改修が必要か」を専門的に説明する書類が必要なのですが、ケアマネジャーが工務店と連携して段取りを組んでくれます。

所属事業所の特徴で変わる?福祉用具や住宅改修の強み

階段の手すり設置による住宅改修事例と、高齢者と対話して説得を行うケアマネジャーの様子

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これはあまり一般的には知られていないことですが、実はケアマネジャーが所属している事業所の「母体」や「系列」によって、得意分野が異なることがあります。

私が知っているケアマネジャーさんの中に、ケアマネジャーの事業所の隣に「福祉用具の会社(レンタル事業所)」があるという環境で働いている方がいました。その方は、隣にいる福祉用具の専門相談員と普段から仲が良く、常に最新の用具情報が入ってくるため、通常のケアマネジャーさんに比べて圧倒的に福祉用具に詳しかったんです。

例えば、「電動ベッド」一つとっても、メーカーによって機能は様々です。さらにそこにどんなオプションを取り付けるかで生活のしやすさは激変します。

  • ベッドの柵(サイドレール):転落防止のための一般的なもの。
  • 介助バー(サイドバー):立ち上がりを助けるためのL字型のしっかりした手すり。
  • テーブル機能:ベッド上で食事ができるようにするもの。

こういった細かいパーツの組み合わせや、最新の「起き上がり補助機能」などを熟知していると、提案の幅が広がります。また、福祉用具の会社を経営している法人に所属しているケアマネジャーさんだと、手すりの取り付けなどの「住宅改修」の手配も、社内連携で非常に速やかかつ丁寧に対応してくれる傾向があります。

これからケアマネジャーを探す際は、「そちらの事業所は福祉用具の会社と併設されていますか?」といった視点で見てみるのも、一つの賢い選び方かもしれません。

相談にかかる費用や自己負担の仕組み

ケアマネジャーへの相談・ケアプラン作成の自己負担が0円であり、全額介護保険から支払われることを示す図

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「いろいろ相談したいけれど、相談するたびにお金がかかるの?」「ケアプランを作ってもらう手数料はいくら?」と、経済的な不安を感じている方も多いのではないでしょうか。介護生活はお金がかかるイメージが強いため、費用のことを心配するのは当然のことです。

結論から明確にお伝えします。ケアマネジャーへの相談や、ケアプランの作成(ケアマネジメント)自体には、利用者の自己負担は一切かかりません(0円です)。

これは、日本の介護保険制度において、ケアマネジメントが「適切な介護サービスを利用するための入り口」として非常に重要視されているためです。誰もが経済的な理由で相談を躊躇し、必要な支援を受けられなくなることがないよう、ケアマネジャーの業務に対する報酬(居宅介護支援費)は、全額(10割)が介護保険から給付される仕組みになっています(出典:厚生労働省『居宅介護支援費の利用者負担導入についての議論資料』)。

つまり、ご家族が何度電話で相談しても、月に一度自宅に来てもらって1時間じっくり話し込んでも、その「相談業務」に対して請求書が届くことは絶対にありません。ですので、費用のことは気にせず、些細なことでも安心して相談してください。

ただし、ここで混同してはいけないのが、「相談はタダ」でも「実際に利用するサービスにはお金がかかる」という点です。費用構造を整理すると以下のようになります。

  • ケアマネジャーへの相談・プラン作成自己負担0円(全額保険給付)
  • 介護サービス利用料(訪問介護、デイサービス、福祉用具レンタル等):実際にかかった費用の1割〜3割(所得に応じた負担割合)
  • 食費・滞在費(施設やデイサービスでの食事代やおやつ代):全額自己負担(実費)
  • 介護保険外サービス(配食弁当、通院の付き添い、理美容代等):全額自己負担

施設入居中の相談相手は?ケアマネと生活相談員の違い

意外に知られていないことですが、有料老人ホームなどの「特定施設」に入居している場合にも、必ずケアマネジャーが存在します。法律で配置義務があるため、皆さんが支払っている介護費用のなかには、当然ケアマネジャーの費用も含まれているのです。

ただし、施設のケアマネジャーは「施設内での生活」をマネジメントするため、自宅に来てくれる在宅のケアマネジャーとは少し勝手が違います。ここでよくある悩みが、「ケアマネジャーに相談すべきか、生活相談員に相談すべきか迷う」という問題です。

施設には「生活相談員」という、入居者や家族の相談窓口となる職種も配置されています。「ケアプランのことはケアマネ?」「部屋のことは相談員?」と迷ってしまいますよね。結論から言うと、「どちらに相談しても構いません。話しやすい方に相談すればOK」です。

実は私自身、過去に施設で「ケアマネジャー」と「生活相談員」を兼務していた経験があります。現場の実情として、この2つの職種の仕事内容は重なる部分が多く、「これは相談員の仕事だから私は知りません」なんていう縦割り対応をすることは稀です。「この悩みはケアマネさん担当かな?」と迷って相談をためらうくらいなら、どちらでも良いので捕まえて話してみてください。

実際、兼務していた私の立場からすれば、窓口がどちらであっても、最終的にスタッフ間で連携して解決にあたるので、「どちらでも構いませんよ」と考えていました。遠慮せずに頼ってみてくださいね。

親の説得や拒否への対応方法

「親がどうしてもデイサービスに行きたがらない」「ヘルパーさんを泥棒扱いして家に入れない」。これは介護現場で最も頻繁に遭遇する悩みであり、家族を精神的に最も疲弊させる問題の一つです。

実は、こうした「親の説得」こそ、ケアマネジャーの人間力が試される場面でもあります。

介護サービスへの導入には、「役割の創出(誰かの役に立ちに行きましょう)」や「スモールステップ(まずはお茶だけ)」といったテクニックもありますが、最終的には「ケアマネジャーさんの人間性」だけで解決してしまうケースも多々あるのです。

私が関わっているケースでも、ものすごく人間味のあるケアマネジャーさんがいます。その方は、まるで「親戚や家族の一員」ではないかと思うくらい、言葉巧みに利用者さんの懐に入り込みます。例えば、地域情報のネタを使いながらこんな風に誘うんです。

「〇〇さん、あそこの地区の△△さんって知ってる? 実はあの人も、ここのデイサービスに通ってるんだって。だったら〇〇さんもどうだい? 一緒に行って少し相手をしてやってくれないかな?」

※もちろん、ケアマネジャーには守秘義務があり、勝手に個人情報を漏らすことはできません。この例は、事前に相手の方から「〇〇さんを誘うためなら名前を出してもいいよ」と同意を得ていることが前提ですので、誤解のないようお願いしますね。

このように、最近の時事ネタや地元のローカルな話題(地名の話など)を出しながらコミュニケーションを取り、「じゃあ今度はここに通ってみようよ」と自然に誘導してしまうのです。「この人が言うなら行ってみようか」と思わせる、家族と勘違いするほどの人間力や距離感。これはAIには真似できない、素晴らしい専門性だと私は思います。

家族だけで説得しようとせず、ぜひこうした「人間力のあるプロ」を味方につけてください。

退院時のカンファレンスで聞かれること

病気や怪我での入院から、自宅へ戻る「退院」のタイミング。ご家族の不安を解消するために開催されるのが「退院前カンファレンス」です。病院のスタッフと在宅のケアマネジャーが一堂に会するこの場ですが、実はここでの「ケアマネジャーのスピード感」がその後の生活を左右します。

私は普段、医療の営業(ワーカー)として仕事をしていますが、実際にこの退院前カンファレンスに参加することがあります。そこで感じるのは、「優秀なケアマネジャーほど、カンファレンスの前にはもう準備を整えている」という事実です。

例えば、入院中に使っているのは当然「ベッド」ですよね。病院には畳がありませんから、患者さんはベッドでの生活に慣れています。しかし、退院して自宅に戻った時、急に布団での生活に戻すのは、体力が弱っている状態では非常に困難です。そのため、病院と同じようにベッド環境を整える必要があります。

素晴らしいケアマネジャーさんは、退院の話が具体化する前の段階から、「帰宅を見越してベッドのレンタル準備をしておきましょう」と家族と話し合いを進めています。そしてカンファレンスの席では、「ベッドはもう手配済みです。〇月〇日に搬入します」と報告できるのです。周りの医療スタッフや家族からしても、ここまでスピーディーに動いてくれるケアマネジャーさんは本当に安心できます。

カンファレンスでは、以下の項目などが確認されますが、「準備の早さ」もケアマネジャーを見極める一つのポイントになります。

確認項目 具体的な相談・検討内容
身体介護(ADL)の状況
  • トイレへの移動や排泄動作は一人でできるか?
  • ポータブルトイレの準備は必要か?
  • 食事は自分で摂取できるか? 刻み食やトロミ剤が必要か?
医療処置・服薬管理
  • 薬は自分で飲めるか? 「一包化」や服薬カレンダーが必要か?
  • インスリン注射、ストマ(人工肛門)等の処置は誰が行うか?
住環境の整備
  • (重要)介護ベッドの手配は完了しているか?
  • 玄関や廊下に手すりは必要か?

独居の親の見守りと緊急時の対応

親御さんが一人暮らし(独居)の場合、「離れて暮らしているから心配」という相談も非常に多いです。ケアマネジャーは原則として月に1回以上自宅を訪問しますが、それ以外の時間の「見守り」をどうするかが課題となります。

ここで提案したいのが、「見守りサービスありきで考えない」ということです。

もちろん、警備会社のサービスは安心ですが費用がかかります。私は以前、自治体で「緊急通報システム」の仕事をしていましたが、自治体が提供しているシステムなら、月に数百円〜数千円程度で利用可能です。ただし、これらは固定電話回線(アナログ回線)を使うタイプが多く、最近の携帯電話のみの家庭では利用できない場合があるなどの注意点もあります。

そこでおすすめなのが、地域の「人の目」を活用する方法です。
例えば、地域の「民生委員」さんや、「自治会長」さんに事前に事情を相談し、見守り体制をフォローしてもらうのです。「一人暮らしの母が心配で…」と相談しておけば、回覧板のついでに声をかけてくれたりします。

ただ、ご家族だけで近所の方に頼みに行くのは気が引けるかもしれません。そんな時こそケアマネジャーの出番です。「地域の協力をお願いしたいので、自治会長さんとの話し合いに同席してもらえませんか?」と頼んでみてください。ケアマネジャーが専門職として間に入ることで、地域の方々も協力しやすくなります。お金をかけるサービスだけでなく、こうした「地域力」をコーディネートするのもケアマネジャーへの賢い相談の一つですよ。

ケアマネジャーに相談できることとできないこと

ケアマネジャーができることと、医療行為や金銭管理など対応できないことの境界線リスト

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ケアマネジャーは非常に頼れる存在ですが、決して「何でも屋」ではありません。介護保険法などの法律や制度によって業務範囲が厳格に規定されているため、相談しても「それは私の仕事ではありません」と断られてしまうことがあります。これを「冷たい」と感じてしまう前に、その「境界線」を明確に理解しておくことが、無用なトラブルを防ぎ、良好な関係を続ける鍵となります。

医療行為など相談できないことの範囲

まず押さえておきたいのが、ケアマネジャーには「絶対にできないこと(やってはいけないこと)」が明確にあるという点です。これを無理に頼んでしまうと、ケアマネジャーを困らせるだけでなく、重大な法令違反(コンプライアンス違反)を引き起こすリスクさえあります。

相談できない(対応できない)主な内容

  • 医療行為・医学的判断の要求
    「この薬を飲ませても大丈夫か?」「熱があるけれど様子を見ていいか?」といった判断は、医師の専権事項です。ケアマネジャー(たとえ看護師資格を持っていても、ケアマネジャーとしての業務中は)が診断や指示を出すことは禁じられています。
  • 金銭管理・契約行為の代行
    通帳や印鑑の預かり、年金の引き出し、日常的な買い物の金銭管理、銀行窓口での手続き代行などは、横領などの金銭トラブル防止のため厳禁です。
  • 家族の私的用務・家事代行
    来客へのお茶出し、ペットの世話、庭の草むしり、大掃除、おせち料理の準備など、利用者本人以外のため、あるいは日常生活の範囲を超える行為は介護保険の対象外です。
  • 法律相談・法的手続き
    遺産相続、遺言書の作成、離婚調停などの相談は弁護士や司法書士の領域であり、ケアマネジャーが介入することは非弁行為(法律違反)となる恐れがあります。

「ついでにこれもやってほしい」「家族の分もご飯を作ってほしい」と思う気持ちは痛いほど分かりますが、これらは公的な保険制度(税金と保険料)で運営されている以上、厳格に区別されています。

しかし、ケアマネジャーに相談すること自体がNGなわけではありません。「庭の草むしりはできません」と言われたら、「では、自費でやってくれる便利屋さんはありますか?」「ボランティアさんはいますか?」と聞いてみてください。介護保険外のサービス(インフォーマルサービス)の情報を提供してくれるはずです。「できないこと」を理解した上で、「どうすれば解決できるか」という視点で相談するのがコツですね。

担当者への苦情はどこに言うべきか

ケアマネジャーも人間ですから、利用者さんやご家族との相性が合わないことや、時には対応に不信感を持ってしまうこともあるでしょう。「約束の時間に来ない」「こちらの話を全く聞いてくれない」「専門用語ばかりで何を言っているか分からない」……。そんな時、我慢して泣き寝入りする必要はありません。適切な窓口へ相談し、改善を求める権利があなたにはあります。

苦情や相談の申し立て先は、問題の深刻度や段階によっていくつかあります。

  1. ケアマネジャー本人または事業所の管理者
    まずは、所属している居宅介護支援事業所に連絡し、「管理者」に相談するのが基本です。単なる連絡ミスや、ボタンの掛け違いのような認識のズレであれば、管理者が間に入ることであっさり解決することも多いです。
  2. 地域包括支援センターまたは市区町村の高齢福祉課
    「事業所全体が信用できない」「直接は言いづらい」という場合は、公的な相談窓口である地域包括支援センターや、役所の高齢福祉課へ相談しましょう。中立的な立場で話を聞き、必要に応じて事業所へ事実確認や指導を行ってくれます。
  3. 国民健康保険団体連合会(国保連)
    虐待が疑われる場合や、不正請求など明らかな法令違反がある場合、あるいは上記の窓口でも解決しない深刻なトラブルの場合は、各都道府県にある国保連が調査・指導を行います。ここは「苦情対応の最後の砦」とも言える機関です。

ケアマネジャーの変更理由とマナー

新しいケアマネジャーを探し、依頼し、引き継ぎを行うまでのスムーズな変更手順の図解

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「ケアマネジャーを変えたいけれど、そんなことをしたら嫌がらせをされるんじゃないか……」「地域で噂になったらどうしよう」と心配される方がいますが、安心してください。ケアマネジャーを変更することは、利用者の正当な権利です。病院を変える(セカンドオピニオン)のと同じ感覚で、合わないと思ったら変更して構わないのです。

変更を検討すべき具体的なサイン

  • 約束の時間や期限を頻繁に破る、連絡がなかなかつかない。
  • こちらの希望を聞かず、特定のデイサービスやヘルパー事業所ばかり強引に勧めてくる(「囲い込み」の疑い)。
  • 医療的な知識が著しく乏しく、病状への配慮が欠けている。
  • 高圧的な態度を取る、または相性が悪く、本音を話しづらい。

変更する際の手順とマナーですが、自分で直接今の担当者に「あなたを解任します」と伝える必要はありません。これが最も精神的な負担が少ない方法です。

  1. まず、地域包括支援センターに相談するか、自分で新しい居宅介護支援事業所を探し、「変更したい」と相談して依頼を決めます。
  2. 新しいケアマネジャーが決まったら、その新しい担当者から、元のケアマネジャーへ連絡を入れてもらい、書類の引き継ぎ手続きを進めてもらいます。

もし自分で理由を聞かれた場合は、「親戚のすすめで別の事業所にすることになった」「専門的な視点を変えてみたい」「家の近くの事業所にしたい」など、相手の人格を否定しない、角が立たない理由を伝えるとスムーズです。

良い信頼関係を築くためのポイント

経済状況や家族関係などデリケートな情報も正直に伝えることで、最適なプラン作成につながることを説明する図

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ケアマネジャーを最大限に活用し、質の高いケアプランを作ってもらうためには、実はこちら側の「情報の出し方」も非常に重要です。私が思うに、「隠し事をしない」ことが信頼関係構築の第一歩です。

「お金がないことを知られたくない」「家族の仲が悪いと言いたくない(恥ずかしい)」と、デリケートな情報を隠してしまうお気持ちはよく分かります。しかし、情報が隠されたままだと、ケアマネジャーは「なぜこのプランがうまくいかないのか」が分からず、見当違いの提案を続けてしまうことになります。

例えば、「家族は仲が良い」と聞いていたのに、実は不仲で協力が得られなかった場合、家族介護を前提としたプランはすぐに破綻してしまいます。ケアマネジャーには守秘義務がありますので、経済状況や家庭内の複雑な事情も率直に共有してください。「実は息子とは疎遠で……」「年金が少なくて……」といった真実の情報があって初めて、現実に即した解決策(生活保護の検討や、費用の安いサービスの提案など)が可能になるのです。

また、ケアマネジャーを単なる「業者」や「部下」のように扱うのではなく、長い介護生活を並走してくれる「対等なパートナー」としてリスペクトを持って接することも忘れないでください。「いつもありがとうございます」「相談してよかった」という一言が、ケアマネジャーのモチベーションを大きく高め、「この人のために頑張ろう」と思わせる一番の報酬になることもあります。

賢くケアマネジャーに相談できること

「銀行に行って」という作業依頼(NG例)を、「銀行に行けず困っている」という課題相談(OK例)に変換するコミュニケーション術

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ここまで解説してきた通り、ケアマネジャーに相談できることは多岐にわたりますが、同時に「できないこと」の線引きも明確です。賢く相談するためのコツは、「何でも屋」として頼るのではなく、「生活の課題を解決するためのコーディネーター」として頼ることです。

例えば、「銀行に行ってきて」と作業を頼むのはNGですが、「足が悪くて銀行に行けなくて困っているが、使えるサービスはないか」と相談すれば、成年後見制度や社会福祉協議会の「日常生活自立支援事業」などの情報を引き出すことができます。問いかけ方一つで、得られるサポートの質は大きく変わるのです。

ケアマネジャーは、ご家族だけでは抱えきれない介護の重荷を分かち合い、医療や福祉、地域の社会資源へと繋げてくれる心強い味方です。完璧な人間はいませんが、あなたの生活を支えたいと願うプロフェッショナルであることは間違いありません。ぜひ、遠慮せずに「困っていること」を率直に伝え、二人三脚でより良い介護生活を目指してください。その第一歩が、今日の相談から始まりますように。

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