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こんにちは。福祉キャリア羅針盤、運営者の福祉屋です。
介護業界への転職を考えているけれど、後悔したという声を耳にして不安を感じていませんか。
ネット上の2chなどの掲示板や知恵袋、個人のブログなどを見ると、未経験から異業種へ飛び込んだものの、思っていたよりも人間関係や労働条件が厳しくて、うつになったり、すぐに辞める決断をしたりする人が少なくないのが現状のようです。
このような失敗談ばかりを目にすると、自分も同じように後悔するのではないかと心配になりますよね。
しかし、ミスマッチが起きる理由やブラック施設の特徴を事前に知っておくことで、そういったリスクは大きく減らすことができるかなと思います。
この記事では、介護の転職で失敗してしまう構造的な原因から、自分に合った職場を見つけるための具体的な視点までを詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、後悔のない納得のいくキャリア選びの参考にしてくださいね。
- 介護職への転職で後悔しやすい主な理由と実態
- 未経験者や年代別のミスマッチが起こる原因
- 求人票や施設見学からブラック施設を見分けるコツ
- すでに辞めたいと感じた時の失業保険などの対処法
介護の転職で後悔する理由と実態

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介護業界は圧倒的な売り手市場と言われていますが、その分、安易な選択をしてしまい、入職後に「こんなはずじゃなかった」とミスマッチを感じるケースが後を絶ちません。ここでは、どのような要因が退職や失敗の引き金になっているのか、具体的な実態を見ていきましょう。
失敗の主な原因となる職場の人間関係

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介護の現場において、退職理由のトップになりやすいのが職場の人間関係ですね。単に「気が合わない人がいる」という個人の相性のレベルを超えて、業界特有の構造的な問題が絡んでいることが非常に多いのです。特に、人員不足による現場の余裕のなさが、人間関係を悪化させる最大の引き金になっています。
慢性的な人手不足が生む負のループ
配置基準ギリギリ、あるいは実質的に人員が割れているような施設では、職員一人ひとりの業務負荷が極限に達しています。本来であれば丁寧に教えるべき新人に対しても、その過度なストレスからつい冷たい態度をとってしまったり、質問をしただけで「忙しいのに話しかけるな」と怒鳴られてしまったりするケースが少なくありません。指導という名の理不尽な要求や、放置に近い扱いを受けることで、精神的に追い詰められてしまう方が後を絶ちません。
実際、私の経験では、介護の現場に初めて出た頃、人員が全く足りていないわけではありませんでしたが、新人教育は「見て覚えろ」というのが当たり前の環境でした。排泄介助なども「このようにやるんだよ」と一度見せられた後は、すぐに「あとは自分でやってみて」とひたすら数をこなすよう任される状況であり、手取り足取り丁寧に教えてもらえることはほとんどありませんでした。現在でもこの教育体制のばらつきは現場に残っており、丁寧に教えてくれる職員がいる一方で、昔ながらの「見て覚えろ」というスタンスの職員も混在しています。このような指導方法の不統一が現場の混乱を招き、「こんなはずじゃなかった」と新人が定着せずに辞めてしまう大きな理由の一つになっています。
また、当時から「利用者一人ひとりに支援したい」という思いを持つ職員はいましたが、現場ではどうしても「業務の効率化」が最優先されがちでした。その結果、効率化を重視するグループと、利用者一人ひとりを支援したいグループとの間に派閥が生まれ、人間関係の軋轢が生じていました。「自分たちがやりたい理想の介護」と「法人やチームとして業務を回すための介護」という方針の違いから生じる摩擦は、何十年経った今でも介護業界に根強く残る構造的な課題であると考えられます。
多職種連携におけるヒエラルキーの壁
また、介護の現場は介護職だけでなく、看護師、ケアマネジャー、生活相談員、リハビリ専門職など、さまざまな専門職が混在してチームで働いています。ここで生じやすいのが、専門性の違いや役割分担を巡る意見の対立です。特に、利用者の医療的ケアの方針を巡る看護職と介護職の対立は根深く、医療知識の差から介護士側が立場の弱さを感じ、屈辱感や無力感を抱えて離職してしまうパターンも珍しくありません。
具体例として、過去に病院勤務から転職してきた看護師が、病院基準の厳格な感染症対策をそのまま介護施設に持ち込もうとした事例がありました。利用者さんが洗面台に行くことを制限したり、清潔エリアと不潔エリアを厳格に分けたりして医療器具等を取り扱おうとしたのです。しかし、施設はあくまで「生活の場」であるため、そうした病院特有の衛生管理基準を持ち込まれることで、現場の介護職との間に大きな考え方のズレや不満の種が生じました。
閉鎖的な環境と「お局様」問題
特養やグループホームなどの入所型施設は、どうしても外部の目が行き届きにくい閉鎖的な空間になりがちです。そうした密室のような環境では、長年勤める一部の古参職員が独自のルールを作り上げ、施設長でさえも口出しできないような権力を持ってしまうことがあります。この理不尽なルールに従えない新人は異分子として排除されやすく、逃げ場のない人間関係に苦しむことになります。
人間関係のトラブルが起きやすい背景
- ギリギリの人員配置による極度のストレスと余裕の欠如
- 異なる専門職(看護師やケアマネなど)との連携における意見の対立
- 閉鎖的な環境で長年勤める職員による独自のルールの押し付けと自浄作用のなさ
異業種からの未経験者が感じる壁

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異業種から介護の世界に飛び込んだ未経験者にとって、入職前に抱いていた理想と現場の現実とのギャップ(リアリティ・ショック)は想像以上に大きいかもしれません。「お年寄りと楽しくお話しする仕事」といった表面的なイメージだけで入ってしまうと、厳しい現実に直面することになります。
身体介助への生理的な抵抗感
介護の仕事の根幹には、排泄介助、入浴介助、食事介助といった他者の身体に直接触れる業務があります。特に排泄物の処理や、入浴時のデリケートなケアに対しては、頭で「仕事だから」と理解していても、いざ直面すると生理的な抵抗感や拒否反応を示してしまう人が一定数います。これは決して恥ずかしいことではありませんが、この壁を乗り越えられずに早期に退職してしまうケースは多いですね。
実際、私の経験でも、排泄や入浴の支援といった生理的なケアは、初めて経験する人にとって精神的な抵抗感が大きく、ショックを受ける場面を見てきました。慣れるまでに1週間ほどかかる場合もあれば、もっと時間がかかる人もいます。しかし、これらは利用者の生活の一部であり、毎日繰り返される当たり前のことであるため、続けていくうちにいずれは慣れていくものです。
命に関わる重圧と精神的負担
また、介護の現場では「人の生き死に」に直面する場面が避けられません。昨日まで元気に話していた利用者さんが急変したり、あるいは看取りのプロセスに関わったりすることは、これまでの事務職や営業職などでは経験したことのない重圧となります。認知症の方から予期せぬ暴力や暴言を受けることもあり、肉体的な疲労以上に、精神的な疲労が蓄積しやすい環境だと言えます。
理想のケアができないジレンマ
「一人ひとりに寄り添った温かいケアがしたい」という強い思いを持って入職した人ほど、日々の業務に追われて流れ作業のような対応をせざるを得ない現実に打ちのめされがちです。理想と現実の板挟みになり、「こんなはずじゃなかった」という強い後悔を抱く原因になってしまうのです。事前に見学やボランティアなどで、生の現場の空気を肌で感じておくことが本当に大切かなと思います。
特養などの施設形態で異なる業務負担

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「介護」と一口に言っても、その職場となる施設形態によって求められる役割や身体的な負担、夜勤の有無などは大きく変わってきます。自分の体力や適性、ライフスタイルに合わない施設を選んでしまうと、ミスマッチが起きて後悔に直結しやすくなります。
身体負担が大きい入所型施設
特別養護老人ホーム(特養)などは、要介護度が高い方が多く生活しているため、移乗や入浴など身体的な介護が業務の中心となります。そのため、体力的な消耗が激しく、正しい介護技術を身につけていないとあっという間に腰痛を悪化させて働き続けられなくなるリスクが高まります。また、夜勤が必須となることが多く、不規則な生活リズムに体がついていかないという悩みも頻出します。
【体験談】入所型施設における夜勤帯の過酷な実態
実際、私の経験では、精神的にも肉体的にも非常に過酷なのが夜勤帯の負担です。特に認知症の方の対応は難しく、夜中の1時、2時、3時と何度も起きてくる利用者さんに対して、その都度話を聞き、対応しなければなりません。夜勤は少ない人数で回しているため、一人に時間をかけすぎると他の業務が滞ってしまいます。そうした状況下で、他の職員から「早く業務を進めてほしい」という無言のプレッシャーを感じることもあり、非常に苦しい思いをします。誰と夜勤が一緒になるかによっても精神的な疲労度が大きく変わるため、これも非常にストレスの溜まる問題となっています。
コミュニケーション能力が問われる通所・訪問型
一方で、デイサービス(通所介護)は日勤のみで身体負担は比較的軽いものの、日々のレクリエーション企画や場を盛り上げるエンターテイナー的な要素が求められます。「人前で話すのが苦手」という人にとっては、これが大きな苦痛になることがあります。訪問介護は1対1でじっくり関われますが、利用者さんの自宅という密室でのケアとなるため、予測不能な事態への対応力や、時には劣悪な住環境(いわゆるゴミ屋敷など)での作業に耐える精神力が必要になります。
【体験談】訪問介護における家族からの想定外の要求
具体例として、訪問介護では利用者本人へのサービス提供だけでなく、そのご家族の意向や要望が直接介入してくる難しさがあります。本来のケアプランには含まれていない「庭の草むしりをしてほしい」「他の家族のこともやってほしい」といった要求をご本人や家族からされることも少なくありません。ケアマネジャーの支援とは異なる範囲の要求に対して、訪問介護員が非常に苦しい思いをするというケースも現場で発生しています。
| 施設形態 | 主な対象者と特徴 | 業務の核心・リスク | ミスマッチの典型例 |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム (特養) | 要介護3以上の重度者。終の棲家。 | 身体的負担大。排泄・移乗介助。夜勤必須。 | 腰を痛めて働けなくなる、夜勤で体調を崩す |
| 介護老人保健施設 (老健) | リハビリ目的、在宅復帰支援。 | 医療連携が密。回転率が高い。 | 自立支援のプレッシャーがきつい、深く関われない |
| デイサービス (通所介護) | 比較的軽度の在宅者。日中のみ。 | レク・送迎が中心。イベント企画力が必要。 | レクのネタ切れで憂鬱、送迎の運転が怖い |
| 訪問介護 (ホームヘルプ) | 在宅利用者への1対1のケア。 | 生活援助と身体介護。一人での臨機応変な対応。 | 劣悪な環境でのケアがきつい、移動が負担 |
※上記はあくまで一般的な目安であり、施設ごとに状況は異なります。最終的な判断や正確な情報は各事業所の公式サイトをご確認ください。
40代や50代の世代別キャリアの悩み

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介護職への転職は、挑戦する年齢によってもぶつかる壁の種類が全く違ってきます。特にミドル層やシニア層での異業種からの転身には、特有の難しさがあります。
40代が直面するプライドとアンラーニングの壁
40代で全くの異業種から転職する場合、これまで培ってきた役職や年収を一度リセットすることになります。年収の大幅な低下は覚悟の上でも、現場に入ると「20代の若いリーダーから厳しく指導される」という現実が待っています。ここでこれまでのプライドが邪魔をしてしまい、素直に指導を受け入れられず、職場で孤立してしまうケースが散見されます。年齢に応じたアンラーニング(過去の常識や成功体験を意図的に捨てること)ができず、「親の介護経験があるから大丈夫」と高を括って失敗するパターンも多いですね。
50代以上のシニア層への過度な期待と現実
50代以上の転職では、逆に施設側から「社会人経験が豊富だから即戦力として動けるだろう」と過度な期待を寄せられてしまうことがあります。その結果、十分な教育期間やマンツーマンの指導がないまま、いきなり現場の最前線に投入されるケースがあります。しかし、加齢に伴う記憶力や体力の低下は避けられず、特にタブレット端末を使った介護記録の入力など、新しいICT機器の操作がなかなか覚えられずに自信を喪失してしまう方がいらっしゃいます。
ライフステージに合わせた働き方の模索
また、この世代は自身の親の介護問題や、自身の健康不安とも直面しやすい時期です。フルタイムの正社員にこだわらず、体力的に無理のない範囲でパート勤務から始めたり、夜勤のない働き方を選択したりするなど、身の丈に合った柔軟なキャリアプランを描けるかどうかが、後悔しないための大きな分かれ道になりますね。
すぐ辞めたいと感じる過酷な労働条件
「給料が安い」「休みが取れない」といった労働条件への不満は、介護業界に限らず転職の後悔としてよく挙がりますが、介護の場合はその「過酷さ」とのアンバランスがより強い不満を生み出します。
業務量と報酬の著しい不均衡
人の命を預かる重い責任、夜勤による睡眠リズムの乱れ、そして腰痛などの健康リスクを常に抱えながら働く現場において、手取りの給与が20万円を切るような現実に直面した時、多くの人は「これだけ身を粉にして働いているのに、全く割に合わない」と強烈な不満を抱きます。絶対的な金額の低さよりも、仕事のハードさに対する対価として適正ではないという相対的な不満ですね。(出典:介護労働安定センター『介護労働実態調査』)
求人票との悪質な乖離(求人詐欺)
中には、応募を集めるために求人票を魅力的に見せかけ、実際の労働条件とは異なる内容を提示する悪質なケースもあります。例えば、求人票には「月給25万円〜」と高めのモデル年収が記載されていても、それは夜勤手当をフルでこなした場合の金額であり、実際には夜勤に入れない数ヶ月の研修期間中は手取りが十数万円に激減してしまうといった事態です。また、残業代が固定残業代として組み込まれており、どれだけサービス残業をしても給与に反映されない仕組みになっていることもあります。
見えないサービス残業と有給消化率
「アットホーム」という名の下に、業務時間外の行事準備や委員会の話し合いが強制され、それが当然のようにサービス残業として扱われる職場も存在します。有給休暇を申請しようとしても、「みんな我慢しているのに」と嫌味を言われ、事実上取得できないような空気がある施設では、入職してすぐに辞めたいと思わせる決定的な原因になります。
介護への転職における後悔の防ぎ方
ここまで、ミスマッチや後悔を生み出す原因について詳しく見てきました。原因が分かったところで、ここからはそれを未然に防ぎ、納得のいく職場選びをするための具体的な対策について解説していきます。ポイントを押さえれば、危険な職場を回避する確率はグッと上がりますよ。
ブラック施設を求人票から見分ける術

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求人票は企業がお金を出して出す広告媒体ですから、基本的に良いことばかりが書かれています。ネガティブな情報は巧みに隠されていますが、使用されているキーワードや表現の端々から、その職場の実態や経営体質をある程度読み解くことは可能です。
危険なキーワードの裏を読む
例えば、「アットホームな職場です」「みんな家族のように仲良しです」といった言葉は、具体的な福利厚生や給与の高さといった客観的な魅力がない場合の常套句として使われることがよくあります。これは公私の境界が曖昧で、人間関係が濃密すぎる(村社会化している)可能性を示唆しており、サービス残業や休日出勤を断りにくい温床になることがあります。また、「やる気のある方歓迎」「人物重視」という言葉も、スキルや資格よりも、長時間労働や理不尽な命令に耐えられる「従順な労働力」を求めているシグナルかもしれません。
常に求人を出している施設の罠
「即日採用」「大量募集」「急募」といった言葉が一年中掲載されている施設は、離職率が極端に高く、慢性的な欠員状態により現場が崩壊寸前である証拠である可能性が高いです。そのような職場に入ってしまうと、きちんとした教育期間を設ける余裕などなく、初日からいきなり現場の穴埋め要員として過酷な労働を強いられるリスクが極めて高くなります。
給与幅の不自然な広さに注意
「月給18万円〜35万円」のように給与幅が極端に広い求人も要注意です。上限額はあくまで釣り餌であり、実際には最低額面からのスタートになることがほとんどです。評価制度が不透明で、どのような成果を出せば昇給するのかが曖昧である可能性が高いため、面接時にしっかりとその内訳と昇給実績を確認する必要がありますね。
施設見学で短期離職のリスクを減らす

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書類上の条件がいかに良く見えても、現場の空気感が劣悪であれば後悔は避けられません。面接の前、あるいは選考段階で、必ず施設見学を申し出ることが鉄則です。もし見学を頑なに拒否する施設があれば、外部に見せられない実態(不衛生、虐待のリスクなど)があると考え、その時点で辞退すべきかなと思います。
挨拶と表情から現場の余裕を読み取る
見学時に最も注目すべきは、すれ違うスタッフの行動です。見学者(将来の同僚になるかもしれない人)に対して、作業の手を止めて明るく挨拶をしてくれるでしょうか。挨拶がなかったり、目を合わせず疲れ切った表情(死んだ目)をしていたりする場合、モラルの崩壊や慢性的な疲労が疑われます。また、利用者さんに対してタメ口や幼児言葉、あるいは威圧的な命令口調を使っていないかも重要なチェックポイントです。これは施設全体の人権意識の低さを表しています。
環境・設備のメンテナンス状況
施設に入った瞬間の「匂い」も嘘をつきません。尿臭や便臭、強いカビ臭が漂っている場合は、排泄介助が適切に行われていない、清掃員が不足しているなど、ケアの質が低下している証拠です。また、スタッフルームやナースステーションが書類や私物で散乱している職場は、情報管理がずさんで医療事故が起きやすい環境だと言えます。施設見学で見るべきポイントと質問リストの記事でも詳しく解説していますが、掲示物が古くて破れかけているような施設は、管理者の意識が現場に向いていない証拠ですね。
面接官(管理者)の態度
面接官の態度は、入職後のあなたの上司の態度そのものです。高圧的であったり、具体的な離職率や残業時間の質問に対して「みんな頑張っているから」と曖昧に濁したりする管理者の下では、トラブルが起きても守ってもらえない可能性が高いでしょう。
失敗を避けるための徹底した自己分析

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自分に合った良い施設を探す前に、まずは「自分が介護の仕事に何を一番求めているのか」を徹底的に深掘りすることが不可欠です。この軸がブレたままだと、求人票の目先の給与の高さや家からの近さだけにつられて、本来の目的を見失ってしまいます。
絶対に譲れない条件の優先順位づけ
介護業界で働く目的は人それぞれです。「とにかく手取り25万円以上稼ぎたい」のか、「子育て中だから土日休みで残業ゼロが良い」のか、あるいは「将来はケアマネジャーとして独立したいから、幅広い経験が積める法人が良い」のか。これら全てを完全に満たす完璧な職場は存在しません。だからこそ、自分の中で絶対に譲れない条件(マスト)と、妥協できる条件(ウォント)の優先順位を明確につけておく必要があります。介護職向けの自己分析の具体的なやり方を参考に、自分自身のキャリアの棚卸しを行ってみてください。
自分の軸を明確にしよう
自分の希望がブレたままだと、目先の給与の高さなどにつられて、本当に自分に合った環境を見失ってしまいます。5年後、10年後のキャリアを見据えて、譲れない条件をリストアップしておくことをおすすめします。
ライフステージとのすり合わせ
特に30代〜40代の子育て世代や、親の介護を抱えている世代は、不規則なシフト勤務が生活に与える影響をシビアにシミュレーションしなければなりません。「夜勤をやれば稼げる」と安易に考えて入職したものの、夜勤明けに家事や育児をこなす体力が残っておらず、家庭崩壊の危機に陥って辞めていくケースも存在します。現在の自分のライフステージにおいて、どれだけの時間と体力を仕事に割けるのか、客観的に評価することが失敗を防ぐ鍵となります。
すでに辞めたい時の失業保険の活用法

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もし現在進行形で「転職に失敗した」と悩み、心身に支障をきたしそうであれば、無理をしてその職場に留まる必要は全くありません。「石の上にも三年」と言いますが、心や体を壊してしまっては元も子もありません。特に、違法行為の強要(無資格での医療行為など)や深刻なパワハラがある場合は、法的リスクや健康被害を避けるためにも、すぐにでも退職に向けた行動を起こすべきです。
特定受給資格者と特定理由離職者
自己都合で短期間で退職した場合、「失業保険(雇用保険)がすぐにもらえないから生活できない」と不安に思う方が多いでしょう。通常は2〜3ヶ月の給付制限期間がありますが、特定理由離職者や特定受給資格者に認定されれば、7日間の待機期間終了後すぐに受給できる可能性があります。例えば、入職前に聞いていた労働条件と著しく違っていた場合や、月80時間を超えるような過重労働、ハラスメントによる退職、あるいは病気(うつ病や適応障害、深刻な腰痛など)によって就業が困難になった場合などがこれに該当します。
証拠保全とセーフティネットの活用
ハローワークでこれらの認定を受けるためには、口頭での申告だけでなく、客観的な証拠が必須となります。在職中からタイムカードのコピー、求人票や雇用契約書、パワハラを受けた日時や内容を記したメモ、そして医師の診断書などをしっかり集めておくことが重要です。
私自身、福祉事務所で生活困窮者の相談に乗ってきたリアルな感覚としてお伝えしたいのですが、無理をして体を壊し、立ち上がれなくなってしまう前に、公的な制度を正しく頼ることは決して恥ずかしいことではありません。退職後の生活費に不安がある場合のセーフティネットの活用法も知っておくことで、いざという時の精神的なお守りになります。※失業保険の給付条件や法律に関する手続きは複雑なため、最終的な判断や申請はハローワークや社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
介護の転職に関する後悔を防ぐまとめ
いかがでしたでしょうか。介護の現場は確かに体力面でも精神面でも大変な部分が多く、生半可な気持ちで務まる仕事ではありません。しかし同時に、人の人生の終盤に寄り添い、直接的に感謝の言葉をいただける、社会的に絶対に欠かせない価値のあるエッセンシャルワークでもあります。
介護職への転職における後悔の多くは、個人の能力不足が原因ではなく、事前のリサーチ不足や、自分の適性と施設の特性が合っていないことから生じる構造的なミスマッチです。求人票の甘い言葉の裏を読み解き、しっかりと自分の目で現場を見学し、納得できる条件を妥協せずに探すことが何よりも大切ですね。感情や焦りに流されず、客観的な事実に基づいて判断する姿勢が、失敗を防ぐ最大の防御策となります。
もし今、一度の転職の失敗で落ち込んでいるとしても、それであなたのキャリアが全て終わるわけではありません。今回の失敗を「自分に合わない環境が一つ分かった」という貴重なデータとして捉え直すことができれば、次は必ず良い選択ができるはずです。この記事で紹介した視点やチェックポイントを羅針盤として活用して、ぜひあなたにとって最良の職場を見つけ、やりがいを持って長く働けるキャリアを築いていってくださいね。応援しています。