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こんにちは。福祉キャリア羅針盤、運営者の「福祉屋」です。
福祉の仕事を長く続けていると、キャリアの分岐点で必ずと言っていいほど直面するのが、「社会福祉士とケアマネジャー(介護支援専門員)のダブルライセンスを取得するべきかどうか」という重い問いではないでしょうか。私自身も現場で働きながら、この二つの資格について何度も自問自答しました。「苦労して取っても給料が変わらないなら意味がないのではないか」「いや、将来独立するためには絶対に必要だ」と、期待と不安を行ったり来たりしたものです。
特に現在は、2015年の試験免除廃止や、処遇改善加算の複雑化による給与逆転現象など、ネット上には古い情報と新しい情報が入り混じり、何が真実なのか非常に分かりづらくなっています。この記事では、きれいごとは抜きにして、ダブルライセンスの「金銭的な価値」と「業務上のリアルな負担」、そして「将来の勝ち筋」について、社会福祉士とケアマネのダブルライセンスを取得した私の経験と最新のデータに基づいて徹底的に解説します。
- ダブルライセンスが生み出す現場での圧倒的な相乗効果と信頼獲得
- 気になる年収のリアルな数字と、介護職との給与逆転現象のカラクリ
- 試験免除の廃止後に、働きながら最短で取得するための具体的ルート
- 独立開業で「雇われの年収の壁」を突破するための現実的な戦略
社会福祉士とケアマネのダブルライセンスの年収とメリット
まずは、誰もが一番気になる「お金」と「働きやすさ」の話から始めましょう。二つの資格を持つことは、単なる自己満足や資格コレクションではありません。それは、変化の激しい福祉業界において、自分の身を守り、かつ攻めに転じるための強力な「投資」になり得るのです。
ダブルライセンスの相乗効果とメリット

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「社会福祉士」と「ケアマネジャー」。この二つはよく似ているようで、実は見ている世界が少し違います。現場で働いている方なら肌感覚で分かると思いますが、ケアマネジャーは介護保険法という「制度の枠組み」の中で、「どのサービスを使えば在宅生活が回るか」を考える給付管理のスペシャリストです。一方、社会福祉士は、制度の枠を超えて「その人の権利や生活全体をどう守るか」を考えるソーシャルワークのプロフェッショナルです。
この二つの視点を統合できることこそが、ダブルライセンス最大のメリットであり、他の専門職には真似できない強みとなります。
圧倒的なアセスメント能力の深化
例えば、ゴミ屋敷に住む独居高齢者や、家族からの虐待が疑われるケースを想像してみてください。ケアマネジャーの役割は、基本的には介護保険制度内でのサービス調整が主軸となります。そのため、どうしても「どのサービスを利用するか(ヘルパーやショートステイなど)」という視点が優先されがちです。
しかし、ここに社会福祉士の視点が加わると、世界が変わります。「なぜゴミを溜め込んでしまうのか(心理的・精神的要因)」「家族との関係性は修復可能か、あるいは分離すべきか(権利擁護)」といった、生活の根底にある課題にアプローチできるようになります。成年後見制度の利用検討や、障害福祉サービスとの併用など、引き出しの数が圧倒的に増えるのです。
ワンストップ・サービスの実現
利用者やその家族からすれば、「介護のことはケアマネさん、権利のことは社会福祉士さん」と相談先を使い分けるのは大きな負担です。ダブルライセンス保持者であれば、「介護サービスの調整」と「複雑な生活課題の解決」を一人で完結できます。これは利用者からの信頼獲得に直結するだけでなく、地域の行政や包括支援センターからも「あの人に頼めば何とかしてくれる」という絶大な信頼を得ることにつながります。
「点の支援(サービス調整)」を「面の支援(生活再構築)」へと昇華させることができるため、単なる御用聞きではない、真の相談援助職としての地位を確立できます。
気になる年収と資格手当の相場
では、実際に給料はどれくらい変わるのでしょうか。夢のない話をするつもりはありませんが、過度な期待も禁物です。複数の民間調査や厚生労働省の統計、そして私の周囲のリアルな事例を総合すると、ダブルライセンス保持者の年収相場は以下のようになります。
| 資格・状態 | 想定年収 | 月給目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 社会福祉士のみ | 350万 〜 450万円 | 22万 〜 28万円 | 相談員採用が主。夜勤なしだと低め。 |
| ケアマネのみ | 400万 〜 500万円 | 26万 〜 31万円 | 居宅か施設か、特定事業所加算の有無で変動。 |
| ダブルライセンス | 500万 〜 600万円 | 30万 〜 40万円 | 管理者・施設長への昇進を含む場合が多い。 |
資格手当の「上限」という罠
多くの人が誤解しているのが、資格手当の計算方法です。「社会福祉士手当が2万円、ケアマネ手当が2万円だから、合計4万円アップだ!」と皮算用をしてしまいがちですが、現実はそう甘くありません。
注意が必要なのは、法人によっては資格手当に「上限」を設けているケースがあることです(例:資格手当は最大3万円まで、など)。あるいは、主たる業務(例えばケアマネ業務)の資格手当のみが支給され、もう片方の資格は「持っているだけ」とみなされ、数千円程度の手当に留まる、あるいは支給されないケースも求人票などで見かけます。
本当の年収アップルートは「役職」

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では、ダブルライセンスに金銭的価値はないのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。ダブルライセンスが真価を発揮するのは、平社員としての手当ではなく、「キャリアパス」においてです。
施設長、管理者、エリアマネージャーといった上位ポストに就く際、両方の資格を持っていることは決定的なアドバンテージになります。経営者視点で見れば、介護報酬の仕組み(ケアマネ)と、コンプライアンスや権利擁護(社会福祉士)の両方が分かる人材は、安心して組織を任せられるからです。結果として、ベース給の高い役職に就くことで、年収500万〜600万円のラインが見えてきます。
年収の実態や他の資格との比較については、こちらの記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
ケアマネジャー偏差値は高い?合格率・難易度と年収のリアルを解説
介護職との給与逆転現象の理由

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ここで一つ、業界の不都合な真実、残酷な現実をお伝えしなければなりません。必死に勉強してケアマネ資格を取り、現場から相談職へステップアップしたのに、現場の介護職員よりも手取りが減ってしまう「給与逆転現象」です。
処遇改善加算の構造的問題
最大の理由は、国が推進してきた「介護職員処遇改善加算」や「特定処遇改善加算」の仕組みにあります。これらの加算は、原則として現場で直接介護を行う職員(介護福祉士など)を対象としており、ケアマネジャーは「事務職・相談職」とみなされ、加算の対象外、あるいは配分が少なくなる傾向があります。
夜勤手当の喪失
さらに大きいのが「夜勤手当」の存在です。特別養護老人ホームなどで夜勤を月4〜5回こなせば、それだけで3万〜5万円の手当がつきます。日勤のみのケアマネジャーになると、これがゼロになります。処遇改善加算の差額と夜勤手当の喪失分を合わせると、月収で5万〜8万円ダウンすることも珍しくありません。
私自身、周囲のケアマネジャーから「苦労して資格を取ったのに、夜勤をしていた頃より手取りが減ってしまった」という相談を受けることが少なくありません。これが現実です。
(出典:厚生労働省『令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果』)
「給料が下がってもいいから、腰痛から解放されたい」「土日休みで家族との時間を持ちたい」という明確な目的がない限り、安易な転職は後悔の元になります。
しかし、悲観することはありません。ダブルライセンスを持つことで、加算に依存しない「管理職」の給与テーブルに乗ることができれば、この逆転現象を回避し、将来的には介護職の上限(体力的な限界による収入減)を超える、安定した高年収を目指すことが可能になります。
病院や地域包括での高い市場価値
ここまで読んで「なんだ、あんまり儲からないのか」と思った方もいるかもしれません。しかし、ダブルライセンスが「プラチナチケット」になる職場が存在します。それが「地域包括支援センター」や「病院の医療連携室」です。
地域包括支援センターでの「万能選手」
地域包括支援センターには「社会福祉士」「主任ケアマネジャー」「保健師」の3職種の配置義務があります。通常はそれぞれの枠で採用されますが、小規模な自治体や委託法人では、欠員が出た際に非常に困ることになります。
ここでダブルライセンス保持者の出番です。法的には社会福祉士枠で採用されたとしても、ケアマネ業務の共通言語(単位数、加算要件、プラン作成の手順)が話せるため、センター内での調整役として非常に重宝されます。将来的に主任ケアマネ研修を修了すれば、センター長候補としても名前が挙がるでしょう。公務員やそれに準ずる待遇(社会福祉協議会など)で働くチャンスも広がります。
医療ソーシャルワーカー(MSW)としての最強の武器
病院のMSWにとっても、ケアマネ資格は強力な武器です。病院経営において重要なのは「平均在院日数の短縮」、つまりスムーズな退院支援です。
「退院後に自宅でどのようなサービスが組めるか」「区分支給限度基準額内に収まるか」を、医師や看護師に対して専門用語で即答できるMSWは、チーム医療の中で別格の扱いを受けます。地域の居宅ケアマネとも共通言語で話せるため、「あの病院のMSWさんは現場を分かっている」と信頼されやすくなり、結果として病院全体の地域連携をスムーズにする潤滑油のような役割を果たせます。
更新研修の大変さと維持コスト
メリットばかりではありません。ケアマネジャー資格には、5年ごとの「更新研修」という重い負担がつきまといます。これは社会福祉士にはない、ケアマネ特有の「試練」です。
時間と費用の二重苦
社会福祉士は一度合格して登録すれば、生涯有効な資格です。しかし、ケアマネジャーは5年ごとに更新研修を受けなければ、資格が失効してしまいます。
- 時間的コスト: 実務経験の有無や研修の種類によりますが、数十時間(30時間〜80時間程度)の講義と演習を受ける必要があります。働きながら日程を調整するのは至難の業です。
- 金銭的コスト: 研修費用は都道府県によって異なりますが、3万円〜6万円程度かかります。驚くべきことに、この費用を自己負担させている事業所も少なくありません。
ペーパードライバー化のリスク
もしあなたが社会福祉士としての業務(相談員など)をメインにしていて、ケアマネ業務を行っていない場合でも、資格を維持するためには同じ研修を受ける必要があります。「使っていない資格のために、有給を消化して数万円を払う」という状況に耐えきれず、更新を断念する(資格を返上する)ケースも後を絶ちません。
ダブルライセンスを目指すなら、「取って終わり」ではなく、「維持し続ける覚悟」と、会社が更新費用を負担してくれるかどうかの確認が不可欠です。
社会福祉士とケアマネのダブルライセンス取得と試験免除
次に、これからダブルライセンスを目指す方のために、効率的な取得ルートと、絶対に知っておくべき「免除」のルールについて解説します。ここを間違うと、数十万円のお金と数年単位の時間を無駄にすることになります。
試験免除の廃止と現在の受験資格

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「社会福祉士を持っていれば、ケアマネ試験の福祉サービス分野が免除される」
もし、そう思っている方がいたら、今すぐその知識をアップデートしてください。残念ながら、その免除制度は2015年(平成27年度)試験から完全に廃止されました。
現在は、医師だろうが看護師だろうが社会福祉士だろうが、ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の全60問を解答しなければなりません。古いブログ記事や、職場の先輩からの「昔は免除があったから簡単だった」というアドバイスを鵜呑みにすると痛い目を見ます。
さらに、合格率は10%〜20%台と依然として低く、生半可な知識では太刀打ちできません。社会福祉士だからといって油断せず、基礎からしっかりと介護保険制度を学び直す必要があります。
社会福祉士から目指すルート
まず、すでに社会福祉士の資格を持っている方が、ケアマネジャーを目指す場合について解説します。これは福祉系大学を卒業した方にとっての「王道ルート」と言えます。
「5年かつ900日」の壁
社会福祉士はケアマネ試験の「法定資格」の一つです。社会福祉士として登録した後、対象となる相談援助業務などの実務経験を「5年以上かつ900日以上」積むことで、初めて受験資格が得られます。
「介護職員」や「生活支援員」として働いている期間は、たとえ社会福祉士を持っていても実務経験としてカウントされない場合があります(自治体により判断が厳格です)。必ず「生活相談員」や「支援相談員」としての辞令が出ており、実務経験証明書にその旨を記載してもらえるかを確認してください。
また、社会福祉士の国家試験に合格していても、「登録」をしていなければ実務経験のカウントは始まりません。「合格したけど登録料が高いから後でいいや」と放置している方は、今すぐ登録手続きを行ってください。
ケアマネの実務経験で実習免除

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逆に、現在ケアマネジャーとして現場で働いている方が、キャリアアップとして社会福祉士を目指すルートはどうでしょうか。実は、ここにとてつもなく大きな「隠れたメリット」が存在します。
最大240時間の実習が「全額免除」に
通常、社会人が社会福祉士を目指す場合、通信制大学(一般養成施設)に通うことになりますが、最大の障壁となるのが「ソーシャルワーク実習」です。現行のカリキュラムでは合計240時間(約4週間)の実習が義務付けられています。働き盛りの社会人が、1ヶ月も仕事を休んで実習に行くのは、現実的にはほぼ不可能です。
しかし、ここでケアマネジャーとしての経験が活きます。厚生労働省が定める指定施設において、1年以上の相談援助実務経験があれば、この「実習」が全額免除されるのです。
あなたの職場は免除対象?
実習免除の対象となる主な施設・事業所は以下の通りです。
- 地域包括支援センター
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設
- 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)
- 障害者支援施設 など
ここで注意が必要なのは、「居宅介護支援事業所(独立型)」の扱いです。単独の居宅介護支援事業所でのケアマネ業務は、実習免除の対象外となるケースが多いです(※制度改正や養成校の規定により異なる場合があるため、必ず志望する養成校に確認してください)。もし、特養併設の居宅や、包括での勤務経験があれば免除対象となる可能性が高いです。
実習に行かなくて済むだけで、学費が10万〜20万円安くなり、何より仕事を辞めたり休職したりせずに資格取得が可能になります。これを使わない手はありません。
働きながら最短で取得する戦略
働きながら社会福祉士を取得するには、「一般養成施設(通信課程)」に入学するのが一般的です。期間は1年半程度(短期養成施設なら9ヶ月等の場合もあり)かかります。
学歴によるルートの違い
- 4年制大学卒業者: 一般養成施設(1年半以上)へ入学可能。
- 3年制短大等卒業者: +1年の実務経験が必要。
- 2年制短大等卒業者: +2年の実務経験が必要。
- 高卒の方: +4年の実務経験が必要、もしくは福祉系大学(4年)への編入が必要。
ケアマネジャーとして働いている方であれば、すでに一定の実務経験があるはずですので、学歴要件さえクリアすれば最短ルートでの入学が可能です。特に「専門実践教育訓練給付金」の対象講座を選べば、学費の最大70%がハローワークから支給される制度もあります。金銭的な負担を大幅に減らせるため、必ずチェックしておきましょう。
詳しいルートや養成施設の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
介護福祉士から社会福祉士へ!最短ルートと働きながら合格する戦略
独立開業の可能性と将来性

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最後に、ダブルライセンスの究極の活用法、「独立」について触れておきます。正直なところ、組織に雇用されている限り、年収400〜500万円程度の「給与テーブルの壁」を超えるのは困難です。しかし、ダブルライセンスを武器に独立すれば、その上限を取り払い、自分の頑張り次第で収入を伸ばすことが可能になります。
「ケアマネ」×「後見人」の堅実なハイブリッドモデル
具体的なビジネスモデルとしては、自ら「居宅介護支援事業所」を開設し、経営者兼ケアマネジャーとして働きます。しかし、ケアマネジャー単独での独立は、担当件数の上限(標準35件〜40件程度)があるため、報酬単価が決まっている以上、売上の天井がすぐに見えてしまいます。経費を引くと、雇われている時とあまり変わらない、あるいは下がってしまうリスクすらあります。
そこで、社会福祉士としての「成年後見人受任」を組み合わせるのです。 ケアマネ報酬を生活の基盤(ベース収入)としつつ、後見人報酬(1件あたり月額2万〜5万円程度)を積み上げていきます。後見業務は、身上監護(契約や施設入所手続き)がメインであり、ケアマネとしての日常的なモニタリングと非常に親和性が高いです。 「自分の担当利用者の後見人も引き受ける(※利益相反にならない範囲で)」、あるいは地域のネットワークから後見案件を紹介してもらうことで、収入の柱を複数持つことができます。
現実的な目標ライン
「独立してすぐに年収1000万円」というのは、スタッフを雇用して事業規模を拡大しない限り、ソロ(一人)では正直厳しい数字です。 しかし、中間マージンを抜かれない独立開業で、ケアマネ報酬と後見報酬を組み合わせれば、年収500万円〜600万円クラスを目指すことは十分に現実的です。何より、組織のしがらみや不条理な人事評価から解放され、自分の理想とする支援を追求できる精神的な自由は、金額以上の価値があるかもしれません。
実際にダブルライセンスを持って感じた「メンタル」と「昇進」のリアル
ここまでは一般的な制度やメリットについて解説してきましたが、ここからは私自身がダブルライセンスを持って現場で働いてきた中で感じた「個人的な体験談」をお話しします。正直なところ、一番のメリットは年収アップよりも「精神的な安定」にあったかもしれません。
資格は「いつでも辞められる」という最強のパスポート

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ダブルライセンスを持っていて一番良かったこと、それは極論ですが「仕事を簡単に辞められる」という安心感です。
福祉の世界において、資格はまさに転職のパスポートです。ケアマネジャーがあれば、地域包括支援センター、特養、老健、生活相談員など、転職先の選択肢がグッと広がります。さらに社会福祉士があれば、公務員、刑務所、病院といった領域にもチャレンジできます。
私自身、一つの仕事に一生縛られるのは好きではありません。転職を繰り返してきましたが、それができたのは「自分には資格があり、積み上げてきたキャリアがある」という自覚があったからです。たとえ今の仕事が不安定になったとしても、「食いっぱぐれることはない」という確信があるので、メンタルが非常に安定します。
「嫌になったらいつでも辞められる」と思えるからこそ、逆に今の仕事に対して「まあ、とりあえず頑張ってみるか」と余裕を持って取り組めるようになります。資格がないと「ここにしがみつくしかない」と思い詰めてしまいますから、この差は大きいです。
昇進する人は「共通言語」を持っている
もう一つのメリットは、組織内でのキャリアアップです。実際に勤めていて感じたことですが、施設長や部長、課長といった役職に就いている方は、だいたい社会福祉士を持っています。
これはあくまで私の肌感覚ですが、上司と同じ資格を持っていると、一種の「仲間意識」のようなものが生まれる気がします。「あの子は自分と同じ資格を持っているし、仕事も真面目だから昇格させようかな」と、人間心理として思ってしまう部分はあるのではないでしょうか。
何より、共通の資格を持っているということは、共通言語で話ができるということです。地域包括支援センターに主任ケアマネジャーが配置されているように、有資格者のポストに行けば、自然と「同じケアマネさんだ」と認識され、信頼関係を築きやすくなります。
資格を「塩漬け」にしないための転職・交渉術
最後に、資格を取った後にどう動くかについてお伝えします。大切なのは、ダブルライセンスを「取って終わりにしない」ことです。
資格を使う環境へ自分から動く
資格は持っているだけでは意味がありません。ケアプランを作らないのにケアマネジャーと名乗っていても、それは「ペーパーケアマネ」です。私の場合、施設でのプラン作成や、行政でのプラン点検業務などを通じて、実際に制度を使い倒してきました。社会福祉士としても、特養の相談員や生活保護業務、医療現場などを渡り歩いてきました。
もし今、資格を使えない環境にいるなら、思い切って環境を変えるべきです。私の場合は、社会福祉士を取った時、上司に「資格を使いたいので、生活相談員のポストにつけてください。無理なら転職します」と直談判しました。今思うと無茶苦茶ですが、結果として希望が通り、そこで経験を積むことができました。4月の人事異動の時期などを狙って、声を上げてみるのも一つの手です。
転職エージェントとAI履歴書の活用法
転職する際は、ハローワークだけでなく「転職エージェント」を活用することを強くおすすめします。私も公務員から医療分野へ転職する際に使いましたが、自分で探す手間が省けるのは大きいです。
転職エージェント探しを私もやりました。とりあえずネット検索して、どんなものか調べてみました。検索して出てきたものの結果に「電話がしつこい」といった意見も見ました。私もこのコメントを見てネガティブなイメージを持ってしまいましたが、とりあえず使ってみないとわからないし、どこの誰が流した情報かわからないコメントに自分自身が流されてはいけないととりあえず登録をしました。
結果は、思っていたものと随分と違いました。私の経験では仕事が決まれば連絡は来なくなりますし、面接前に「頑張ってくださいね」と電話をくれたりと、むしろ好印象でした。何より、自分では言いにくい給与交渉を代行してくれるのがありがたいです(私はもっとプッシュしておけば良かったと少し後悔していますが…)。
履歴書は「手書き」より「PCスキル」
また、これからの転職活動では履歴書のデジタル化が必須です。「手書きじゃないと印象が悪いのでは?」と心配する方もいますが、私が採用面接に関わった経験から言うと、今は手書きかどうかよりも「PCスキルがあるか」を見ています。
Web上で履歴書・職務経歴書を保存できるサービスを使えば、転職先ごとに簡単に書き換えができますし、何よりPCスキルの証明になります。文章作成が苦手な方は、AIを使って志望動機や自己PRを整えるのも賢い方法です。ただし、丸投げはNGです。面接で深掘りされた時に答えられなくなるので、あくまで「整える」ために使い、中身には自分で責任を持つようにしましょう。
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社会福祉士とケアマネのダブルライセンスを目指す価値

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ダブルライセンスへの道のりは決して楽ではありません。勉強時間の確保、費用の捻出、そして資格取得後の更新研修など、多くのハードルがあります。「取ったからといってすぐに給料が倍になるわけではない」という現実も直視する必要があります。
しかし、これからの福祉業界は「質」が問われる時代です。ただ漫然と業務をこなすだけの人材は淘汰され、複合的な視点で課題解決ができる専門家が求められます。社会福祉士とケアマネジャー、この二つの武器を持つことは、あなたを「組織に依存せずとも生きていけるプロフェッショナル」へと変えてくれるはずです。
今の職場でくすぶっているなら、まずは一歩、資料請求や自分が実習免除の対象になるかの確認から始めてみてはいかがでしょうか。その小さな行動が、あなたのキャリアを大きく変える羅針盤になることを願っています。