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こんにちは。福祉キャリアの羅針盤、運営者の「福祉屋」です。
社会福祉士実習、本当にお疲れさまでした。数週間、あるいは数日間にわたる慣れない環境での実習を終えて、今は「やり切った」という安堵感と、レポートや記録の疲れがどっと出ている頃かもしれませんね。なお、社会福祉士養成課程における実習施設や教育内容の位置づけは、厚生労働省の通知でも整理されています(出典:厚生労働省「令和元年度社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて」)。まずは、ご自身をねぎらってあげてください。
さて、実習を終えた学生さんにとって、最後にもう一つだけ大切な仕事が残っています。それが「お礼状」の作成です。実習先への感謝を伝える重要性は分かっていても、「いざ書くとなると、何から手をつけていいか分からない」と悩んでしまう方は本当に多いんです。
お礼状の書き方や施設ごとに使える具体的な例文、時候の挨拶はどう選べばいいのか。封筒の宛名は「御中」と「様」のどちらが正しいのか。そもそもパソコンではなく手書きで書くべきなのか、そして、一体いつまでに出すのがビジネスマナーとして適切なのか。こうした無数の疑問や不安で、なかなか筆が進まない。その気持ち、とてもよく分かります。
この記事では、そんなあなたの悩みを一つひとつ丁寧に解決するために、社会福祉士実習のお礼状に関する準備、用具選び、ビジネスマナー、具体的な書き方まで、網羅的に、そして深く掘り下げて解説していきます。施設別のポイントや、もし「正直、あまり学びがなかったかも」と感じてしまった実習だった場合の、お礼状を書くための視点についても触れていますので、ぜひ最後までリラックスして読んでみてください。
- お礼状作成に必要な準備(便箋・ペン・封筒)の正しい選び方が分かる
- 封筒の書き方や郵送に関するビジネスマナー(敬称、投函時期)が理解できる
- すぐに使える時候の挨拶や、実習先ごとの具体的な例文が学べる
- 「学びがなかった」と感じた時でも、自分の言葉で感謝を伝えるためのヒントが得られる
実習が終わったら、次は国家試験の準備です
お礼状を出して実習を締めくくった後は、社会福祉士国家試験に向けた勉強が本格的に始まります。「何月から何を勉強すればよいのか分からない」という方は、まず社会福祉士国家試験の勉強スケジュールと進め方を確認しておくと、試験日から逆算して準備しやすくなります。
社会福祉士実習のお礼状、準備とマナー
お礼状は、書かれている「内容」が重要なのはもちろんですが、それと同じくらい、その「形式」や「準備」といった外見にも、送り手の感謝の気持ちや真摯な姿勢が表れるものです。実習の最後を「丁寧な学生さんだった」と好印象で締めくくるためにも、まずは基本的なマナーと準備するものから、しっかり確認していきましょう。
お礼状の便箋やペンの選び方

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「何に、何で書くか」。この選択が、封筒を開けた瞬間の第一印象を決定づけます。デジタル化が進む現代だからこそ、アナログな「モノ選び」のセンスが問われる部分ですね。
便箋(びんせん)
便箋は「縦書きの白無地」を選ぶと安心です。
縦書きの白無地は、正式なお礼状でも使いやすい、落ち着いた形式です。横書きの便箋が必ず失礼に当たるわけではありませんが、実習先や目上の方へ送る礼状として迷う場合は、縦書きを選んでおくとよいでしょう。
- 色と柄:色は白を基本とし、清潔感のあるものを選びます。キャラクターものや派手な色柄、過度な装飾があるものは避け、罫線だけが入ったシンプルな便箋が使いやすいでしょう。
- 紙質:薄いレポート用紙ではなく、筆記しやすく、インクが裏移りしにくい便箋を選びます。必ずしも高価な和紙である必要はありません。
- サイズ:一般的にはB5サイズやA4サイズが使われます。B5は三つ折りにして長形4号、A4は三つ折りにして長形3号の封筒に入れる方法があります。
筆記具(ペン)
筆記具は、文字の読みやすさと全体の印象を左右します。黒インクの万年筆、水性ボールペン、ゲルインクボールペンなど、にじみにくく、はっきりと読める筆記具を選びましょう。
万年筆に慣れていない場合、無理に使う必要はありません。普段から使い慣れている黒色のボールペンで、一文字ずつ丁寧に書くことの方が大切です。
太さは、細すぎると弱々しく見え、太すぎると文字がつぶれる場合があります。一般的には0.5ミリから0.7ミリ程度が読みやすいでしょう。
【注意】避けた方がよい筆記具
- 消せるボールペン:熱や摩擦によって文字が消える可能性があります。正式なお礼状には使わない方が安全です。
- 鉛筆やシャープペンシル:下書きには使えますが、清書には適していません。
- 色の薄いペンや装飾用ペン:読みづらくなる可能性があるため、黒色を基本にしましょう。
手書きとPC、どちらが適切?

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これは本当に多くの方が悩むポイントですね。「字に自信がないから、パソコンで作成して印刷したい」という方もいるでしょう。私も字がきれいな方ではないため、その気持ちはよく分かります。
実習先や学校から作成方法を指定されている場合は、その指示を優先してください。特に指定がなく、手書きが難しい事情もない場合は、丁寧に書いた手書きのお礼状が感謝を伝えやすいでしょう。
手書きで伝わりやすいこと
福祉の現場では、文章の美しさだけでなく、相手のために時間を使い、丁寧に向き合った姿勢が受け取られることがあります。手書きの文字には、一画一画にかけた時間や、「丁寧に書こう」とした気持ちが表れます。
指導者の方が求めているのは、書道家のような達筆さではありません。たとえ字に自信がなくても、読みやすさを意識し、丁寧に書かれていれば、実習への真摯な姿勢は伝わります。
一方、けがや障害などの事情がある場合や、学校からパソコンでの作成を認められている場合は、パソコンを使うことに問題はありません。大切なのは、形式だけでなく、具体的な学びや感謝を自分の言葉で伝えることです。
封筒の書き方、御中と様の使い分け

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封筒は、お礼状を受け取った相手が最初に目にする部分です。特に「御中」と「様」の使い分けは、社会人でも迷うことがあるポイントなので、基本を確認しておきましょう。
封筒選びの基本
封筒も、便箋と同じく白無地のものを選ぶと丁寧な印象になります。茶封筒は事務書類の送付などで使用されることが多いため、実習のお礼状では白封筒が無難です。
便箋を三つ折りにして入れられるサイズを選び、中身が過度に透けないものを使用しましょう。二重封筒も選択肢ですが、一般的な白封筒でも問題ありません。
「御中」と「様」の違い
敬称ルールの基本
- 御中(おんちゅう):法人、施設、部署など、組織宛てに使う敬称です。
例:社会福祉法人〇〇会 御中
例:特別養護老人ホーム〇〇 実習担当部署 御中 - 様:特定の個人宛てに使う敬称です。
例:施設長 〇〇〇〇 様
例:実習指導者 〇〇〇〇 様 - 御中と様は併用しない:個人名まで分かっている場合は、法人名や施設名には敬称を付けず、最後の個人名に「様」を付けます。
```
```
【個人宛ての記載例】
社会福祉法人〇〇会
特別養護老人ホーム〇〇
施設長 〇〇〇〇 様
施設長と実習指導者の両方へ感謝を伝えたい場合は、別々にお礼状を作成する方法もあります。1通を連名にする場合は、役職の高い方を先に記載し、それぞれの氏名に「様」を付けます。
【連名にする場合の例】
施設長 〇〇〇〇 様
実習指導者 〇〇〇〇 様
※施設や学校から宛名について案内されている場合は、その指示を優先してください。
封筒の宛名の正しい書き方
縦書きの便箋を使用する場合は、封筒の宛名も縦書きにそろえると統一感があります。ただし、横書きが直ちに失礼になるわけではありません。最も大切なのは、住所や氏名を間違えず、読みやすく書くことです。
表面(宛名)
- 住所:封筒の右側に、都道府県から省略せずに書きます。建物名や階数がある場合も忘れずに記載します。
- 宛名:封筒の中央に、住所よりも少し大きな文字で書きます。役職は氏名の上、または氏名の右上に少し小さく記載します。
- 切手:縦書き封筒の場合は左上に貼ります。普通切手でも問題ありません。
切手の料金不足に注意してください
郵便料金が不足すると、差出人へ返送されたり、受取人に不足分の支払いを求めたりする可能性があります。便箋の枚数や封筒の重さに不安がある場合は、郵便局の窓口で確認してから発送しましょう。
(出典:日本郵便「国内の料金表(手紙・はがき)」)
裏面(差出人)
- 封筒の裏面、左下に自分の住所と氏名を書きます。
- 住所と氏名に加えて、「〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科」など、自分の所属を明記します。
- 必要に応じて、投函日を記載します。
- 封字:封をした後、継ぎ目に「〆」と書く方法があります。ただし、のり付き封筒などでは必須ではありません。学校から指示がある場合は従いましょう。
お礼状はいつまでに出すのがマナー?

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感謝の気持ちは、できるだけ早く伝えることが大切です。実習終了後、できれば翌日から3日以内を目安に投函するとよいでしょう。
実習の疲れが残っているとは思いますが、時間が空くほど、実習中の具体的な出来事や指導者からもらった言葉を思い出しにくくなります。早めに下書きを作ることで、より具体的なお礼状を書きやすくなります。
ただし、学校や養成課程から提出時期、内容、宛先について指示されている場合は、そちらを優先してください。
社会福祉士実習のお礼状、書き方と例文
準備が整ったら、いよいよ本文の作成です。お礼状には、一般的な手紙の構成があります。難しく考える必要はありません。基本的な順序に沿って、あなた自身の言葉とエピソードを加えていけば、感謝が伝わる文章になります。
お礼状の基本的な構成と流れ
正式な手紙は、基本的に以下の7つの要素で構成されます。
| 順番 | 要素 | 役割とポイント |
|---|---|---|
| 1 | 頭語(とうご) | 手紙の始まりに使う挨拶です。「拝啓」が一般的です。 |
| 2 | 時候の挨拶 | 季節に合わせた挨拶です。「〇〇の候」など、投函する時期に合わせます。 |
| 3 | 安否の挨拶 | 相手や施設の健康、繁栄を願う言葉です。 |
| 4 | 主文(しゅぶん) | 実習受け入れへの感謝、実習で学んだこと、具体的なエピソード、今後の決意などを書きます。 |
| 5 | 結びの挨拶 | 相手の健康や施設の発展を願う言葉で締めくくります。 |
| 6 | 結語(けつご) | 「拝啓」を使った場合は、一般的に「敬具」で結びます。 |
| 7 | 後付け(あとづけ) | 日付、大学・学部・学科、氏名、宛名などを書きます。 |
この流れを基本にすると、まとまりのあるお礼状を作成しやすくなります。
時候の挨拶、月ごとの例文一覧
「時候の挨拶」は、多くの学生さんが筆を止めやすいポイントです。手紙を投函する時期に合わせて選びましょう。
格式のある手紙にしたい場合は、「〇〇の候」という漢語調の挨拶が使いやすいでしょう。
【実習シーズン別】時候の挨拶の例
■ 春季実習(2月・3月)
- 2月:
- 漢語調:余寒の候、梅花の候
- 文例:「余寒の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
- 口語調:「暦の上では春となりましたが、まだ寒い日が続いております。」
- 3月:
- 漢語調:早春の候、春暖の候
- 文例:「春暖の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
- 口語調:「日ごとに春の訪れを感じる季節となりました。」
```
```
■ 夏季実習(8月・9月)
- 8月上旬:
- 漢語調:盛夏の候、猛暑の候
- 文例:「盛夏の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
- 8月下旬:
- 漢語調:晩夏の候、残暑の候
- 文例:「残暑の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
- 9月:
- 漢語調:初秋の候、新秋の候
- 文例:「初秋の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
- 口語調:「朝夕には秋の気配を感じる季節となりました。」
```
```
■ 秋季実習(10月・11月)
- 10月:
- 漢語調:秋冷の候、紅葉の候
- 文例:「秋冷の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
- 11月:
- 漢語調:晩秋の候、向寒の候
- 文例:「向寒の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」
```
```
時候の挨拶に続いて、施設などの組織宛てであれば「貴施設におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」、個人宛てであれば「〇〇様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」とつなげる方法があります。
施設別の例文(特養・病院・児童養護)
いよいよ最も重要な「主文」です。インターネットで検索すると多くの例文が出てきますが、そのまま書き写すのではなく、実習した施設の役割や支援対象の特徴を振り返り、自分が実際に見たこと、感じたこと、考えたことを自分の言葉で表しましょう。
大切なのは、「その施設ならではの支援の視点」を踏まえながら、「自分が体験した具体的なエピソード」を加えることです。ここでは、施設種別ごとに使いやすい視点と文章の組み立て方を紹介します。
A.特別養護老人ホーム(高齢者分野)向け
高齢者支援では、その人らしい生活や尊厳を守る視点が重要です。
- 考えられるキーワード:その人らしさ、尊厳の保持、傾聴、生活歴、寄り添う姿勢、非言語的コミュニケーション
- 文脈例:「実習当初は、利用者様とのコミュニケーションの取り方に戸惑うことがありました。しかし、〇〇様と関わらせていただき、言葉だけでなく、表情や仕草から思いをくみ取ろうとする中で、その方の生活歴や価値観を尊重することの大切さを学びました。〇〇様が笑顔を見せてくださった時のことが、特に心に残っています。」
B.病院・医療機関(医療ソーシャルワーカー)向け
医療分野では、多職種連携や退院後の生活を見据えた支援が重要になります。
- 考えられるキーワード:チーム医療、多職種連携、カンファレンス、退院後の生活、権利擁護、意思決定支援
- 文脈例:「特に印象に残っているのは、退院支援カンファレンスに参加させていただいた経験です。医師、看護師、リハビリ職など、異なる専門性を持つ職員の皆様が、患者様の退院後の生活を共通の目標として話し合う姿を拝見し、多職種連携の大切さを学びました。その中で、医療と生活をつなぐソーシャルワーカーの役割について理解を深めることができました。」
C.児童養護施設・児童相談所(児童分野)向け
児童分野では、子どもの権利を守り、安心できる関係や生活環境をつくることが重要です。
- 考えられるキーワード:信頼関係、安心・安全な場、子どもの最善の利益、自己肯定感、権利擁護
- 文脈例:「子どもたち一人ひとりと関わる中で、信頼関係を築くことの難しさと、相手のペースを尊重することの大切さを学びました。実習当初はなかなか会話が続かなかった子どもが、実習最終日に自分から話しかけてくれたことが心に残っています。大人の都合で関係を急がず、継続して関わる姿勢を大切にしたいと思いました。」
D.障害者支援施設(障害者分野)向け
障害者支援では、本人の強みや希望に着目し、意思決定や社会参加を支える視点が重要です。
- 考えられるキーワード:ストレングス、エンパワメント、意思決定支援、合理的配慮、本人主体
- 文脈例:「貴施設において、利用者様のできないことだけを見るのではなく、できることや得意なことに着目し、環境を整えることで本人の力を引き出す支援を学びました。作業活動の中で、利用者様が自分の役割を持ち、生き生きと取り組まれている姿が特に印象に残っています。」
指導者に伝わる具体的な内容のコツ
前項の例文は、あくまで文章を考えるための骨組みです。本当に感謝と学びが伝わるお礼状にするためには、「自分が体験した具体的なエピソード」を加える必要があります。
実習指導者の方々は、毎年多くの学生を受け入れている場合があります。そのため、どの施設にも当てはまる抽象的な文章よりも、あなたが実際に経験した出来事を盛り込んだ文章の方が、実習の振り返りとして伝わりやすくなります。
例えば、「実習では大変お世話になりました。利用者様とのコミュニケーションの難しさを学びました。この経験を活かして頑張ります」という文章だけでは、具体的に何を経験し、何を学んだのかが伝わりにくいでしょう。
文章力に自信がなくても大丈夫です。以下の3ステップを意識すると、具体性のある主文を作りやすくなります。
心に伝わる「主文」3ステップ構成法
- 導入(謝辞):実習を受け入れてもらったことや、忙しい業務の中で指導してもらったことへの感謝を伝えます。
例:「さて、この度はご多忙の中、〇週間にわたりご指導いただき、誠にありがとうございました。」 - 展開(具体的なエピソード):実習中に経験した出来事、利用者との関わり、指導者からかけてもらった言葉などを書きます。
例:「特に、〇〇様との関わりの中で、私が一方的に会話を進めるのではなく、相手の表情や反応を待つことの大切さを学びました。」 - 結び(今後の決意):実習で得た学びを、今後の大学での学習や国家試験、将来の社会福祉士としての姿勢にどうつなげるかを書きます。
例:「この貴重な経験を糧に、来たる社会福祉士国家試験に向けて、まずは新カリキュラムに対応した参考書の選び方を確認し、〇〇先生のように利用者様の思いを大切にできる社会福祉士を目指して学習を続けてまいります。」
```
```
「嬉しかったこと」「悔しかったこと」「驚いたこと」「考え方が変わったこと」など、あなたの心が動いた瞬間を振り返ってみてください。小さな出来事でも、あなたが実際に体験したことであれば、他の人には書けない内容になります。
学びがない実習だった時の視点

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ここからは少し踏み込んだ話をします。実習に行ったものの、「よく分からない実習だった」「利用者さんとはあまり話せず、作業ばかりだった」「正直、学びがあったと言えるのだろうか」と感じることもあるでしょう。
こうした実習だった場合、お礼状に何を書けばいいのか、本当に悩みますよね。感謝や学びの言葉が、すぐには思い浮かばないかもしれません。
何を隠そう、私自身の実習も、当時は意味を理解しにくい内容でした。
私の「しいたけ原木運び」実習
私の実習先は、現在でいう障害者支援施設、当時の授産施設でした。そこを選んだ理由も明確には覚えておらず、先輩が実習に行っていたことがきっかけだったと思います。
実習では作業着に着替え、利用者さんと一緒に山へ行き、しいたけ栽培に使う原木を運ぶ作業に長い時間取り組みました。軽トラックで施設と山を往復しながら、原木を運ぶ毎日です。
当時の私は、「社会福祉士になるための実習で、なぜ原木を運んでいるのだろう」と疑問に感じていました。夜に実習記録を書こうとしても、「今日も原木を運んだ」という事実から、ソーシャルワークの学びにつなげることが難しかったのを覚えています。
作業中心の実習から学びを見いだす
もし、過去の私と同じように、施設の作業や業務に参加する時間が中心で、十分な指導を受けられなかったと感じている方がいたら、お礼状を書く前に、「その作業を通して、自分は何を見たのか」を考えてみてください。
「職員が不足していたため、作業を手伝うことになった」
「施設側が学生に何を経験させればよいか整理できていなかった」
実際に、そのような事情があった可能性もあります。無理に肯定的な意味を作り出す必要はありません。
一方で、利用者と同じ作業に取り組んだからこそ、見えたこともあるかもしれません。
例えば、利用者にとって作業がどのような意味を持っていたのか、得意な作業と苦手な作業にどのような違いがあったのか、職員はどのように役割を調整していたのか、作業によって社会との接点がどのようにつくられていたのか、といった視点です。
私自身、今になって振り返ると、しいたけの栽培、運搬、袋詰め、販売という一連の作業は、施設の中だけで完結する活動ではありませんでした。林業、食品加工、販売、流通といった社会の仕事にもつながっています。
そこには、利用者が役割を持って働くことや、地域社会とつながること、本人の得意なことを生かすことなど、当時の私が十分に言語化できなかった学びがあったのだと思います。
一見すると学びが少なかったように感じる実習でも、利用者の様子、職員の関わり、作業の目的、自分が感じた疑問を振り返ることで、自分なりの気づきが見つかることがあります。
その気づきを、「利用者の方々と同じ作業を続ける中で、作業が生活の一部であるだけでなく、役割や社会参加にもつながっていることを考える機会になりました」といった形で書けば、無理に実習を美化することなく、自分が考えたことを伝えられます。
AIは補助に、自分の言葉で感謝を

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最近は、生成AIを使えば、整ったお礼状の文章を短時間で作成できます。とても便利ですし、私自身もAIを日常的に使っています。
ただし、最初から最後までAIに任せて、そのまま書き写すことはおすすめしません。
「整いすぎた文章」の落とし穴
AIが作る文章は、文法的に整っていて、丁寧な表現になりやすいという長所があります。一方で、実習中に何が起こり、あなたが何を感じたのかという具体的な情報を入力しなければ、誰にでも当てはまる文章になってしまいます。
お礼状で大切なのは、文章の上手さを競うことではありません。実習先の職員や利用者との関わりを振り返り、自分が何を学び、何を今後に生かしたいのかを伝えることです。
少し表現が不器用でも、自分で考えた具体的な内容が入っていれば、実習を真剣に振り返ったことが伝わります。
AIを使う場合は、まず自分で次の内容を書き出してみてください。
- 実習で特に印象に残った出来事
- 利用者や指導者との具体的な関わり
- 実習前と実習後で考え方が変わったこと
- 今後の学習や国家試験に生かしたいこと
その上で、「この文章を丁寧な手紙の表現に直してください」「不自然な敬語がないか確認してください」と依頼すれば、AIを校正や補助として活用できます。
国家試験の勉強でも「まとめること」を目的にしない
実習記録やお礼状を丁寧に書いてきた方ほど、国家試験でもきれいなノートを作ろうとして、時間を使いすぎてしまうことがあります。大切なのは、ノートを完成させることではなく、問題を解き、思い出せなかった知識を定着させることです。効率的なノートの使い方については、社会福祉士国家試験の勉強方法とノート術で詳しく解説しています。
書き損じや遅れた場合の対処法
最後に、お礼状作成で起こりやすいトラブルへの対処法を確認しておきましょう。
書き損じたら?修正液や修正テープは使える?
正式なお礼状では、修正液や修正テープを使わず、新しい便箋に書き直すのが一般的です。
修正した跡が大きく残ると、受け取った相手が読みづらくなる場合があります。一文字でも間違えたら必ず書き直さなければならないと過度に緊張する必要はありませんが、目立つ間違いをした場合は新しい便箋を使いましょう。
いきなり清書するのではなく、別の紙やパソコンで下書きを完成させてから便箋に書き写すと、書き損じを減らせます。
出し忘れた・遅れたら?
「実習が終わってから1週間以上経ってしまった」と気づいた場合でも、何も送らないより、遅れたことへのお詫びを添えて感謝を伝える方がよいでしょう。
遅れた場合は、できるだけ早く準備して発送してください。
その際は、時候の挨拶の後に、簡潔なお詫びを入れます。
【遅れた場合のお詫びの文例】
「拝啓 〇〇の候、貴施設におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は実習において大変お世話になり、誠にありがとうございました。
本来であれば実習終了後すぐにお礼を申し上げるべきところ、ご挨拶が遅くなりましたことを深くお詫び申し上げます。
実習では……」
遅れた理由を長く説明するよりも、まず遅れたことを簡潔に謝り、その後に実習への感謝と具体的な学びを書きましょう。
感謝を伝える社会福祉士実習のお礼状
社会福祉士実習のお礼状は、単に形式的なマナーを守るためだけのものではありません。お世話になった施設や指導者へ、実習で得た学びと感謝を伝えるための、実習最後の振り返りです。
完璧な文章を目指す必要はありません。基本的な形式を確認しながら、あなた自身が実習中に見たこと、感じたこと、考えたことを、具体的なエピソードとともに書いてみてください。
文字や文章に自信がなくても、一文字ずつ丁寧に書き、相手への感謝を自分の言葉で表せば、その姿勢は伝わります。
そして、お礼状を出して実習を締めくくったら、次に向き合うのは社会福祉士国家試験です。実習を最後まで乗り越えた経験は、これから国家試験の学習を進める上でも、大きな支えになるはずです。
実習の次は、社会福祉士国家試験の準備へ
実習を終えた直後は、達成感がある一方で、「あれだけ多くの科目を本当に覚えられるのか」「模試で点数が取れなかったらどうしよう」と不安になりやすい時期でもあります。
しかし、最初からすべてを完璧に理解する必要はありません。まずは試験の全体像を知り、参考書や過去問を少しずつ進めることが大切です。実習を最後までやり切った経験は、これから国家試験を乗り越える力にもなります。