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こんにちは。福祉キャリア羅針盤、運営者の福祉屋です。
今の生活が苦しくて、生活保護を考えているけれど、生活保護申請に必要なものが何なのか分からなくて立ち止まってしまっていませんか。ネットで調べても難しい言葉ばかり並んでいて、結局何を揃えればいいのか不安になりますよね。もし書類が足りなかったら門前払いされてしまうのではないか、と心配になる気持ちもよく分かります。でも、安心してくださいね。生活保護申請に必要なものは、今のあなたの状況を正直に伝えるためのバトンみたいなものです。この記事では、本人確認のための持ち物から、預貯金や年金の資料、さらには借金や扶養照会への不安、そして審査期間中の注意点や車をどうするかといった気になるポイントまで、私なりに詳しくまとめてみました。最後まで読んでいただければ、これから何を準備してどう動けばいいのかがスッキリ整理できるはずですよ。
まず、福祉事務所経験者から伝えておきたいことは、生活保護の申請は実質的に「手ぶら」であっても可能です。「書類が不足していると却下されるのではないか」と不安に感じ、印鑑や本人確認書類、通帳などがすべて揃うまで相談をためらってしまう方が少なくありません。しかし、最も重要な点は、書類の提出や細かい書き込みは後回しにしても手続き自体は進められるということです。まずは窓口を訪れることが大切です。申請が通るか不安な方は、あわせて生活保護の申請が通る確率と現場での対策についても目を通しておくと、より勇気を持って一歩を踏み出せるはずです。
- 生活保護の申請で窓口に持っていくべき必須書類の詳細リスト
- 預貯金や保険、車などの資産が福祉事務所に調査される仕組み
- 借金や親族への連絡(扶養照会)など心理的な不安への対処法
- 万が一書類が揃わない場合でも申請を強行できる法的権利の知識
生活保護申請に必要なものと準備すべき重要書類

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生活保護の申請をスムーズに進めるためには、福祉事務所が「この人は本当に助けが必要だ」と客観的に判断できる資料を揃えることが近道です。ここでは、申請時に用意しておきたい主要な書類をカテゴリー別に詳しく整理しました。
身分証明書など本人確認ができる持ち物

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まず最初にお伝えしたいのが、申請者が誰であるかを確認するための書類です。これは、二重に保護を受けたり、偽名で申請したりすることを防ぐために欠かせないものですね。福祉事務所の窓口に行くと、まず「あなたはどこの誰ですか?」という確認から始まります。これは「生活保護申請に必要なもの」の中でも基本中の基本と言えるでしょう。
具体的には、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証、在留カード、パスポートなどが挙げられます。もし、これらが手元にないという場合でも、諦めなくて大丈夫です。例えば、年金手帳や住民票の写し、さらには公共料金の領収書など、複数の書類を組み合わせることで本人確認として認めてくれるケースも多々あります。住む場所を失ってしまった方の場合、身分証も一緒に失くしてしまっていることがありますが、その状況も含めて正直に話せば、福祉事務所側で調査を進めてくれます。ただし、写真付きの証明書があると、その後の手続きが圧倒的にスムーズになるのは事実ですね。
また、本人確認は単なる「名前の確認」だけではなく、過去に他の自治体で保護を受けていなかったか、現在の世帯構成はどうなっているか、といった審査の出発点になります。マイナンバーカードがあれば、最近は情報の連携がスムーズになっていますが、まだ全てのデータが即座に同期されるわけではありません。そのため、今の自分を証明できる「紙の書類」は、可能な限りかき集めて持参することをおすすめします。「何もないから行けない」と足踏みするのではなく、今あるものを全て鞄に詰め込んで、まずは相談の扉を叩いてみてくださいね。
また、ちょっと注意が必要なのは、外国籍の方、または外国籍を含む世帯構成の場合です。外国籍の方の場合は在留カードが必須となります。また、近年では税金情報の照会や医療扶助(病院への受診)の手続きを円滑にするためにマイナンバーカードの活用が進んでいますので、持っている方は忘れずに持参しましょう。
預金通帳や保険証券など資産に関する資料

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生活保護には「利用できる資産はすべて活用する」という大原則があります。そのため、預貯金や保険などの資産状況の確認は、申請において避けては通れない非常に重要なプロセスです。窓口では必ず「全ての銀行の預貯金通帳」の提示を求められます。これは、メインで使っている口座だけでなく、数年間使っていない「休眠口座」も含めて全てです。
通帳については、直近の記帳を済ませた状態で持参しましょう。福祉事務所は、単に「今の残高がいくらか」を見ているだけではありません。数ヶ月、時には1年以上の取引履歴を確認することで、不自然な大金の出入りがないか、隠している収入がないかを精査します。最近普及しているネット銀行についても、物理的な通帳がないからといって調査を免れることはできません。アプリの画面をスクリーンショットして印刷したり、ウェブサイトから取引明細をダウンロードしたりして準備しておく必要があります。もし「隠せばバレないだろう」と考えてしまうと、後で同意書に基づいた金融機関への直接照会で必ず発覚します。その場合、「不正受給」とみなされるリスクもあるため、最初から全てを開示することが、結果としてあなたを守ることになります。
資産調査の厳密さについて詳しく知りたい方は、こちらの生活保護の貯金調査の範囲と期間についての解説記事も参考にしてください。どのような範囲まで調べられるのかを把握しておくことで、余計な不安を解消できるでしょう。
窓口で対応していた私の経験としては、最新の残高が確認できるよう記帳してから持参すると手続きが非常にスムーズになります。ただし、もし記帳が漏れていたとしても、それだけで申請を拒否することは生活保護法に抵触します。まずは窓口で「申請書をください」と意思を伝えることが重要です。
生命保険も立派な「資産」です。解約した時に戻ってくる「解約返戻金」が一定額(一般的には数十万円単位)を超える場合は、その保険を解約して生活費に充てるよう指導されることがあります。ただし、掛け捨て型の医療保険や、戻り金が極めて少ない場合は、そのまま継続が認められることもあります。まずは保険証券を持参し、ケースワーカーさんに判断を仰ぎましょう。
実際、私は、積立型の生命保険や学資保険など解約返戻金があるものは資産とみなし、基本的には解約を促していました。なかなか納得していただくことが難しい場面もありましたが、税金で資産形成できない以上、心を鬼にして対応していました。これは制度上のルールですので、まずは手元にある証書をすべて開示しましょう。
さらに、貴金属や骨董品、換金性の高い有価証券なども資産に含まれます。これらについても「生活保護申請に必要なもの」の一部として考え、正直に申告する姿勢が大切です。資産の調査は厳格ですが、それは公平な支援を行うための手続きですので、隠し事をせずに協力することが受給への一番の近道かなと思います。
給与明細や年金など収入を証明する書類

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生活保護で支給される保護費の計算は、厚生労働大臣が定める「最低生活費」から「世帯の純収入」を差し引くことで行われます。つまり、今現在いくらの収入があるのかを正確に証明することが、適正な受給額を決定するためのカギとなります。働いている方は、直近3〜4ヶ月分の給与明細書を必ず準備してください。ボーナスや各種手当も全て収入としてカウントされるため、漏れなく揃えることが重要です。
また、仕事による収入だけでなく、公的な給付金も全て収入とみなされます。生活保護は「他法優先(他の制度を先に使う)」というルールがあるため、年金(老齢・障害・遺族年金)、児童手当、児童扶養手当、雇用保険(失業保険)、傷病手当金などの受給状況を確認する書類も必要です。これらの通知書や振込口座の履歴は、申請時にセットで提示しましょう。もし「自分がどの手当をもらえるか分からない」という場合でも、窓口で相談すれば「まずはこの手当を申請してください」とアドバイスをくれます。
手続きをさらにスムーズにするために、年金証書のほか、家族関係を証明する書類、借金の関連書類なども一緒に用意しておくのがベストです。特に通帳への振り込み履歴などは、細かくチェックされるポイントになります。
特に注意が必要なのが、親族などからの仕送りや、ネットオークションでの売上金、単発のアルバイト代なども「収入」に含まれるという点です。これらを報告せずにいると、後で発覚した際に差額分を返還しなければならなくなります。収入の証明は、あなたの生活を支えるための「正確な計算」の根拠となるものです。少し面倒に感じるかもしれませんが、給与明細や決定通知書をファイリングして整理しておくことは、受給開始後も毎月必要になる大切な習慣になりますよ。
収入調査に関連する主な書類リスト
| 書類の種類 | 主な内容と注意点 |
|---|---|
| 給与明細書 | 直近3〜4ヶ月分。交通費や残業代も含まれます。 |
| 年金振込通知書 | 老齢・障害・遺族年金など全ての受給額。 |
| 各種手当の認定通知書 | 児童手当、児童扶養手当、特別障害者手当など。 |
| 雇用保険受給資格者証 | 失業給付を受けている場合に必要です。 |
賃貸借契約書など住居や光熱費の資料

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「住む場所」に関する情報は、生活保護の支給額のうち「住宅扶助」の金額を決めるために不可欠です。自分が今、どこに、どのような条件で住んでいるのかを証明するために、賃貸借契約書の原本、または写しを用意しましょう。ここでは、家賃の月額だけでなく、管理費や共益費がいくらか、そして更新料などの規定があるかどうかも細かくチェックされます。
家賃が自治体の定める上限(基準額)を超えている場合、すぐに追い出されるわけではありませんが、将来的には基準額以下の物件へ転居するよう指導されることがあります。その際の引っ越し費用などが扶助の対象になることもあるので、契約書の内容を正確に伝えることは非常に大切です。また、賃貸ではなく実家に住んでいる場合や、知人宅に身を寄せている場合でも、その「居住実態」を証明するために光熱費(電気・ガス・水道)の領収書や請求書が求められることがあります。これらは、実際にそこで生活を営んでいるという証拠になるからです。
持ち家がある場合についても触れておきます。基本的には、ローンが完済されており、資産価値が著しく高くない限り、住み続けることが認められるケースが多いです。その場合は、固定資産税納税通知書や不動産登記簿謄本を持参しましょう。ただし、住宅ローンが残っている場合は「保護費をローンの返済(資産形成)に充てることはできない」という法的な壁があります。このあたりの判断は非常にデリケートなので、住宅ローンがある方は早めに窓口で相談することをおすすめします。住まいの確保は生活再建の第一歩ですから、現状をしっかり把握してもらうための資料を丁寧に揃えましょうね。
医師の診断書や障害者手帳などの資料
生活保護の審査では、申請者に「働くことができる能力があるか(労働能力の活用)」という点も考慮されます。もし病気やケガ、あるいは精神的な不調などで働くことが難しい状況であれば、それを医学的に証明する資料が必要になります。最も一般的なのが医師の診断書です。診断書には、単なる病名だけでなく、「現在の病状では就労が困難である」といった意見が含まれていると、福祉事務所側も判断がしやすくなります。
現在通院中の方は、診察券やお薬手帳を持参して、どこの病院でどのような治療を受けているかを説明できるようにしておきましょう。また、生活保護が決定すると「医療扶助」として医療費が実質無料になりますが、指定の医療機関で受診するための手続きにも病院の情報が必要になります。さらに、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳などをお持ちの場合は、必ず提示してください。これらの手帳があることで、毎月の支給額に「障害者加算」という上乗せが行われる可能性が高いからです。
ちなみに私は診断書を求めることはしていませんでした。お金がない中で無理をして自費で診断書を用意する必要はありません。福祉事務所は医療機関へ直接照会する権限を持っているため、受診の事実さえ分かれば役所側で確認を進めることが可能です。所持金が苦しい中、診断書代で生活費を削るようなことはしなくて大丈夫ですよ。
また、お子さんがいる家庭では母子健康手帳も大切です。「母子加算」の対象になるかどか判断材料になります。これらの健康や障害に関する資料は、単に「働けない理由」を探すためのものではなく、あなたが本来受け取るべき加算を正しく算定し、適切な医療サポートに繋げるためのものです。自分の心身の状態を正しく理解してもらうために、病院でもらった書類は大切に保管しておいてくださいね。
そして、これら市町村から出ている資料については内部で確認することも可能です。個人情報のため簡単には見ることができませんが、一定の手続きを福祉事務所側が行うことで、確認することが可能です。資料探しに時間を使う前に、困窮している場合は、ためらわず申請してくださいね。
マイナンバーの利用と印鑑の最新ルール
行政手続きのデジタル化が進んだことで、生活保護の申請も以前より少しだけシンプルになりました。まず大きな変更点として、2021年(令和3年)から「押印の原則廃止」が実施されています。かつてはハンコを忘れると手続きが進まないこともありましたが、現在は本人の署名(自筆のサイン)があれば、印鑑がなくても申請書を受理してもらえます。これは急いで申請したい方にとって、大きな負担軽減ですよね。
また、マイナンバー制度の活用により、これまでは申請者が役所を回って集めなければならなかった書類の一部が省略できるようになっています。例えば、住民票の写しや、課税・非課税証明書などは、申請書にマイナンバーを記入し、同意を与えることで福祉事務所側で確認してくれるようになりつつあります。ただし、ここで注意したいのは「全ての自治体で完璧に自動化されているわけではない」という点です。システムの関係上、やはり紙の書類を持ってきてもらった方が早い、という現場の声もまだあります。
マイナンバーカードを持っている方は、ぜひ窓口に持参しましょう。本人確認と情報の照会が一度に行えるため、手間が省けます。また、銀行口座とマイナンバーを紐付けている「公的給付受取口座」がある場合、その口座を通帳の代わりに指定することで、手続きがさらにスムーズになることもあります。
とはいえ、デジタル化が進んでも「生活保護申請に必要なもの」の本質は変わりません。機械的なデータだけでは見えてこない、あなたの「今の困りごと」を補完するために、やはり手元にある紙の資料は最強の味方になります。デジタルとアナログの両方を上手く活用して、無駄のない準備を心がけたいですね。
窓口相談でのプライバシー確保と個室対応
多くの人が行き交うオープンな窓口で、自分の通帳の内容や生活状況を話すことに、強い苦痛や抵抗を感じる方は決して少なくありません。しかし、安心して相談できる環境は権利として認められています。
福祉事務所内にはだいたい相談室があります。そのため、窓口での相談においてプライバシーへの配慮を求めることが可能です。もし抵抗を感じる場合は、遠慮なく「個室での対応を希望します」と伝えてください。市役所の建物内には、必ず会議室や相談室といった個室が用意されています。
具体例として、小さなお子様連れの方や、周囲の目が気になって落ち着いて話せない方のために、場所を変えたり時間を調整したりして丁寧に対応する体制が整っています。プライバシーを守りながら、落ち着いて今の状況を話すことから始めましょう。
生活保護申請に必要なものが不明な時の対処法

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「書類が必要なのは分かったけれど、どうしても用意できないものがある」「事情があって出せない資料がある」という悩みは、実はとても多いんです。ここでは、そんな不安やトラブルに直面した時の具体的な解決策を、私の視点でお話しします。
借金がある場合の調査と返済の注意点
「借金がある生活保護を受けられない」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。でも、これは明確な間違いです。借金の有無は生活保護の受給要件には関係ありません。たとえ数百万、数千万の借金があっても、今の生活が立ち行かないのであれば、国はあなたを助ける義務があります。ただし、ここには非常に重要な注意点があります。それは、「支給された生活保護費を借金の返済に充ててはいけない」というルールです。
生活保護費は、あくまであなたの「最低限度の生活」を守るための税金です。それを借金の返済(つまり債権者の利益)に回すことは、制度の趣旨から外れてしまいます。もし隠れて返済を続けていることがバレると、保護の中止や、支払ったお金の返還を求められるといった厳しい措置が取られることもあります。借金がある場合は、申請時に正直に申告しましょう。ケースワーカーさんは、あなたの味方になって「法テラス」などの無料法律相談を紹介してくれます。生活保護受給者であれば、自己破産などの手続きにかかる弁護士費用が免除される仕組み(民事法律扶助制度)もあるので、借金問題を根本から解決する絶好のチャンスでもあるんですよ。
借金の調査は、あなたが提出した「同意書」に基づいて、銀行口座の履歴などから行われます。不自然な引き出しがあれば、それは返済ではないかと疑われる原因になります。まずは隠さずに相談し、生活の立て直しと借金の整理をセットで進めることが、本当の意味での自立への第一歩になります。
自動車の保有が認められる具体的なケース
生活保護を受ける際、自動車は「資産」とみなされるため、原則として処分しなければなりません。車を売却して得たお金を、まずは生活費に充てください、という考え方ですね。しかし、これには「容認」される例外的なケースがいくつか存在します。例えば、公共交通機関が極めて不便な過疎地に住んでいて、車がないと買い物や通院が全くできない場合や、障害のある方の送迎に不可欠な場合、さらには深夜勤務などで車でないと通勤が不可能な場合などです。
こうした例外を認めてもらうためには、車検証や任意保険の証書を提示した上で、なぜ車が必要なのかを具体的に説明する資料を準備する必要があります。福祉事務所は、車の排気量や時価(現在の価値)、維持費が保護費を圧迫しないか、といった点を総合的に判断します。単に「便利だから」という理由では認められませんが、生存に関わる切実な理由があれば、保有が許可される道は残されています。また、仕事で車を使っている自営業の方なども、その車が収入を得るために不可欠な「生産資材」として認められることがあります。
もし車を処分しなければならない場合でも、すぐに売らなければ申請を受け付けない、ということはありません。まずは申請を行い、その後の調査の中で「この車をどうするか」をじっくり話し合うことになります。車を手を手放すのは辛い決断かもしれませんが、まずは今の生活を維持することを最優先に考え、ケースワーカーさんと最適な着地点を探っていきましょう。
地方が車が必須です。公共交通機関がないことが多いため、私の場合はだいたい認める方針で動いていました。当時は就労か通院以外に車の選択肢がなかったので、できる限り就労支援を入れたりして、車の保有ができるようケース診断会議を行っていました。
ケース診断会議とは、福祉事務所内で生活保護関連の決定をする場合に行う会議です。そこで、根拠資料などを示して、ケースワーカー同士で話し合い、最終的に福祉事務所長が決定をします。
ケースワーカー独断で物事が決まることはありませんので、安心してください。
扶養照会を回避できる条件と申告方法

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生活保護を申請すると、親や兄弟などの親族に「この人を援助できませんか?」と役所から連絡が行くことがあります。これが「扶養照会」です。「家族にだけは知られたくない」「縁を切っているから連絡してほしくない」という理由で申請を躊躇する方は非常に多いですが、実は近年の運用改善により、扶養照会を止めることができるケースが明確になっています。
具体的には、親族からDVや虐待を受けていた過去がある場合や、親族と概ね10年以上も音信不通になっている場合、さらには親族自身が高齢や困窮していて援助が明らかに無理な場合などが挙げられます。こうした事情がある時は、申請時に「扶養照会をしないでほしい理由」を記した申告書を提出しましょう。福祉事務所は、あなたの申し出に正当な理由があると判断すれば、親族への照会を見合わせてくれます。これはあなたのプライバシーと安全を守るための正当な手続きです。
もし、特別な事情がない場合でも、扶養照会が行われた結果として親族から「援助できない」と断られたとしても、それだけで生活保護が却下されることはありません。扶養はあくまで「可能な範囲で行うもの」であり、強制ではないからです。親族が照会を無視した場合も、役所は「援助の意思なし」と判断して手続きを進めます。扶養照会への不安は大きいと思いますが、今の厚生労働省の指針では、申請者の意思が尊重される方向に大きく動いていますので、諦めずに相談してほしいと思います。
書類が揃わない時の申請権と窓口対応
この記事を読んでいる方の中には「書類が全部揃うまで申請しちゃいけない」と思っている方がいるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。生活保護法第24条に基づき、「必要な書類が揃っていなくても、申請の意思があれば役所は受理しなければならない」という法的ルールがあります。これを「申請権の保障」と呼びます。
もし窓口で「書類が足りないから出直して」とか「先に親族と話し合ってきて」と言われたら、それは「水際作戦」と呼ばれる不適切な対応である可能性が高いです。そんな時は、「書類は後で揃えますので、まずは今日の日付で申請書を受理してください」とはっきり伝えましょう。なぜなら、生活保護費は「申請した日」に遡って計算されるからです。書類が揃うのを1週間待てば、その1週間分の保護費を失うことになります。これは経済的に非常に大きな損失ですよね。
足りない書類については、申請した後の14日から30日の「審査期間」の間に、自分自身の努力や福祉事務所の職権調査によって補完していけば良いのです。住む場所がない、身分証がない、そんな極限状態でも、今いる場所を管轄する福祉事務所で申請は可能です。役所は「国民の命を守る最後の砦」ですから、堂々と権利を主張してください。もし一人で立ち向かうのが不安であれば、支援団体や弁護士の付き添いをお願いすることも検討してみてくださいね。
審査期間の短縮と緊急時の迅速な決定
申請から結果が出るまで、不安な日々を過ごすことになりますが、この審査期間についても知っておくべき重要なルールがあります。
実際、私の経験では、所持金が底を突いているような切迫した状況であれば、原則である14日を待たず、わずか1週間程度または直ぐに保護決定が下されることもあります。生活保護法では生存権、つまり「人の命」を最優先するため、資料が完全に揃っていない状態でも、急を要する場合は決定を下すことができるよう定められているのです。
具体例として、金融機関や保険会社への調査にはどうしても時間がかかり、14日以内にすべての資料が揃うことは稀です。しかし、「書類が揃っていないこと」を理由に決定を遅らせることは本来許されません。困窮している事実に基づき、迅速な支援が行われるべきですので、状況が厳しい場合はその旨もしっかり伝えましょう。
申請から決定までの流れと調査のポイント

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申請書を無事に受理された後、どのようなプロセスを経て決定に至るのかを知っておくと、不安な待ち時間を少し穏やかに過ごせるかもしれません。申請から決定までは、原則14日以内、調査に時間がかかる場合でも最長30日以内と法律で定められています。この間に行われるのが「実地調査(家庭訪問)」と「資産・収入の照会調査」です。
家庭訪問では、ケースワーカーさんがあなたの家を訪れ、生活状況を直接確認します。これは「隠し資産がないか」を暴く家宅捜索のようなものではなく、あくまで「どのような生活環境にあり、どのような支援が必要か」を把握するためのものです。例えば、冷蔵庫の中に食べ物があるか、冬場に暖房器具があるか、といった点を確認し、必要であれば「家具什器費」などの特別な扶助を提案してくれることもあります。調査のポイントは、書類に書いた内容と実際の生活に矛盾がないか、という誠実さです。
また、あなたが提出した同意書に基づき、金融機関や職場、日本年金機構などへの照会も行われます。この調査能力は非常に高く、過去の履歴まで遡って確認されます。もし調査の結果、保護の要件を満たさない(例えば、隠し財産が見つかったなど)場合は「却下」となりますが、不当な理由で却下されたと感じた場合は「審査請求(異議申し立て)」を行うことも可能です。正しい手続きを経て、正直に状況を話していれば、審査は決して恐れるものではありません。期待と不安が入り混じる期間ですが、新しい生活への準備期間だと考えて、前向きに過ごしましょう。
生活保護制度の詳細な仕組みや、申請から受給までの公的な流れについては、厚生労働省の公式ホームページをご確認ください。
厚生労働省:生活保護制度(外部リンク)
生活保護申請に必要なものの最終チェック

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さて、ここまで「生活保護申請に必要なもの」について、かなり詳しくお話ししてきました。最後に、これまでの内容をギュッと凝縮して、あなたが今すぐ実行できる最終チェックリストを作成しました。準備万端で窓口に向かうために、ぜひ活用してくださいね。
- 身分証と印鑑(朱肉を使うもの):印鑑は不要な自治体が増えましたが、念のため持っておくと安心です。
- 全ての通帳とスマホの銀行アプリ:記帳を最新の状態にし、ネット銀行の画面も出せるように。
- 直近の収入が分かるもの:給与明細書や年金通知書、各種手当の通知書をまとめておきましょう。
- 住まいの書類:賃貸借契約書や公共料金の領収書、持ち家なら納税通知書。
- 病院や障害の資料:診断書(無理に用意しなくてOK)、診察券、お薬手帳、障害者手帳など。
このリストにあるものが全て揃っていれば完璧ですが、何度も繰り返すように、「揃っていないからといって申請できないわけではない」ということを忘れないでください。一番大切なのは、あなたが「今の生活を変えたい、助けてほしい」という意思を表示することです。書類はあくまでそれをサポートするための道具に過ぎません。
もし、窓口での説明が難しいと感じたら、今の状況をメモにまとめて持っていくのも良い方法です。いつから困っているのか、今の所持金はいくらか、これからどうしたいのか。言葉に詰まっても、そのメモがあなたの代わりに語ってくれます。生活保護は、人生のどん底から這い上がるための強力な階段です。この記事が、あなたのその第一歩を支える小さな力になれば、これほど嬉しいことはありません。正確なルールは自治体によって微調整されることもあるので、最終的な確認は必ず管轄の福祉事務所で行ってください。あなたの明日の生活が、少しでも明るいものになるよう心から願っています。