
福祉キャリア羅針盤イメージ
こんにちは。福祉キャリアの羅針盤 運営者の「福祉屋」です。
「社会福祉士 働きながら 難しい」と検索されているということは、今の仕事を続けながら資格取得を目指すべきか、本当に合格できるのか、不安に感じているのではないでしょうか。
社会福祉士の資格は、勉強時間の確保はもちろん、養成施設にかかる費用、最大の難関ともいえる実習、そして気になる最新の合格率など、クリアすべき課題がいくつもあります。特に40代や50代から挑戦する場合のハンデや、独学での勉強法が通用するのか、あるいは「やめとけ」という意見も目にして、一歩踏B-出せずにいるかもしれません。
私自身も働きながらこの資格を取得した経験者として、その不安は痛いほどわかります。
この記事では、そうした「難しさ」の正体を一つひとつ分解し、働きながらでも現実的に合格を目指すための戦略と、私自身の合格体験談を交えて、できるだけ詳しく解説していきます。
- 社会福祉士の「本当の」難易度と合格率の推移
- 働きながら挑戦する際の3つの壁(勉強・費用・実習)
- 最大の難関「実習」を免除する方法
- 筆者が実践した具体的な勉強法と体験談
「社会福祉士は働きながら」は本当に「難しい」のか?
まず、「社会福祉士 働きながら 難しい」と言われる理由を、最新のデータと実態から分析してみましょう。かつての「難関資格」というイメージとは異なり、試験の難易度自体はここ数年で大きく変化しているようです。その実態を詳しく見ていきましょう。
最新の合格率。難易度は低下?
「社会福祉士=合格率30%前後の難関試験」というイメージは、もう古いかもしれません。
確かに、平成27年度(第28回)の合格率は26.2%と非常に低い水準でした。この数字が、「社会福祉士は難しい」というイメージを長年作ってきた大きな理由だったんですね。
しかし、近年のデータを見ると傾向は一変しています。
このように、合格率は50%台後半と、かつての約2倍にまで上昇しています。これは、教育課程の改正やカリキュラムの統一が進んだこと、そして通信講座などが普及したことで学習の質が上がり、「正しい努力が報われやすい試験に変化した」結果とも言えそうです。
ただし、油断は禁物です。合格率が上がったからといって、試験が「簡単になった」と考えるのは早計です。
合格率は上がっても「構造的な難しさ」は健在
社会福祉士試験の本当の難しさは、その試験範囲の広さにあります。
- 広大な試験範囲(19科目):福祉原論から心理学、医学、法律、行政制度まで、非常に広範な知識が要求されます。
- 合格基準(足切り):合格するには、「総得点の60%程度」の得点に加え、「試験科目の全科目群において得点があること」(いわゆる0点科目を回避すること)という2つの条件を同時に満たす必要があります。
働きながらの断片的な学習では、この全19科目を網羅し、かつ「0点科目」を作らないようにすることが最大の課題となります。合格率の数字だけを見て「楽勝かも」と思うと、足元をすくわれるかもしれません。
合格に必要な勉強時間と捻出法
社会福祉士の合格に必要とされる勉強時間は、一般的に約300時間が目安とされています。
これは、介護福祉士(約250時間)や精神保健福祉士(約250時間)と比較しても、より多くの学習時間を要することを示しています。
働きながらこの「300時間」を確保するのは、確かに簡単ではありません。
300時間を確保するペース例
- 毎日コツコツ型:1日2時間の勉強を約5ヶ月(150日)継続する。
- 週末集中型:平日は1日1時間、土日に各5時間ずつ勉強し、約6ヶ月(26週)で達成する。
仕事が終わってクタクタの状態で、毎日2時間……。想像するだけで「うっ」となりますよね。残業や家庭の事情があれば、なおさらです。
だからこそ、「スキマ時間」の活用が合否を分けます。私自身もそうでしたが、まとまった時間を確保するのではなく、通勤時間や休憩時間など、細切れの時間をいかに活用するかが戦略のキモになります。
スキマ時間の具体的な活用術
- 通勤時間(電車・バス):スマホアプリや一問一答形式の問題集で知識を確認する。
- 通勤時間(車):私のように、講義のCDや音声データを聴き流す「耳学」を徹底する。
- 仕事の休憩時間:Webベースの過去問講座や問題演習ドリルに5分だけ取り組む。
- 家事の合間:料理中や洗濯中も、音声学習を続ける。
「机に向かう時間」だけを勉強時間とカウントしないことが、働きながら合格するコツかなと思います。
養成施設の費用と通信課程
社会福祉士試験は、誰でもすぐに受験できるわけではありません。法律で定められた「受験資格」を満たす必要があります。
最終学歴や実務経験によって12のルートに分かれますが、働きながら目指す社会人の多くは、大学に入り直すのではなく、「養成施設」と呼ばれる専門学校や大学の通信・夜間課程を利用することになります。
一般養成施設と短期養成施設
ご自身の経歴によって、必要な養成施設が変わります。
- 一般養成施設(修業期間1年以上):福祉系以外の4年制大学を卒業した方、実務経験が4年以上ある方などが対象。
- 短期養成施設(修業期間6ヶ月以上):福祉系の4年制大学で「基礎科目」のみを履修して卒業した方などが対象。
働きながら目指す場合、多くの方が通信課程を選ぶことになると思います。
養成施設の費用目安(通信課程)
費用は、この後説明する「実習」の有無によって大きく変動します。
| 課程の種類 | 費用の目安 | 内訳(例) |
|---|---|---|
| 実習なしの場合 | 約30万円~50万円程度 | 入学金、受講料、教材費など |
| 実習ありの場合 | 約45万円~70万円程度 | 上記に加え、実習費として+15万~20万円程度 |
この「実習」の有無が、費用面(約15万~20万円の差)でも、時間面(約24日間の拘束)でも、非常に大きな分岐点になります。
※費用はあくまで一例です。学校によって大きく異なり、別途テキスト代やスクーリング交通費などがかかる場合も多いため、必ず希望する養成施設の最新の募集要項をご確認ください。
40代・50代からの挑戦は可能か

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結論から言うと、40代・50代からでも合格は十分可能です。
「今さら勉強なんて」「記憶力が…」と不安になるお気持ちはわかりますが、年齢を理由に諦める必要はまったくありません。ハッキリ言って、やる気です。
実際に、私の同僚は45歳で仕事をしながら去年(2024年)の試験に合格しています。40代、50代でも十分合格できる試験なんです。
ただし、一つ重要なことがあります。それは、年齢が上がったら、勉強方法を若い頃から変えないと難しいということです。
年齢で「記憶の仕方」は変わる
10代や20代前半くらいまでは、いわゆる「丸暗記」ができます。しかし、人間の記憶の仕方は年齢とともに変わっていきます。悲しいですが、昔と同じ「気合の暗記」は通用しなくなってくるんです。
私が知っている実例でも、私よりも全然頭が良くて、進学校に通っていた同級生が、社会福祉士の試験に何度も不合格になっている姿を見てきました。
これは頭の良さの問題ではありません。たぶん、勉強の仕方が悪いのでしょう。試験はコツです。頭の良さも多少は必要ですが、合格するための「勉強方法」のほうが何倍も重要だと、私は断言します。
年齢を重ねたら、「理解」を伴わない丸暗記ではなく、「なぜそうなるのか」という理屈や全体像を掴む学習法に切り替える必要があるんですね。
「やめとけ」と言われる本当の理由
一方で、「社会福祉士はやめとけ」というネガティブな意見も目にすることがあります。これも「難しい」と感じさせる一因ですよね。
これは、資格取得の「難しさ」というよりも、資格取得後の「仕事の現実」を指している場合がほとんどです。
「やめとけ」と言われる主な理由
- 業務の負荷:利用者の相談援助だけでなく、行政や医療機関との連携調整、サービス計画書の作成、膨大な記録・書類作成など、業務が多岐にわたります。
- 精神的負担(感情労働):貧困、虐待、DV、精神疾患など、深刻で複雑な課題に日々向き合うため、精神的なタフさ(感情労働)が求められます。
- 給与水準:福祉ソーシャルワーカーの平均年収(約441万円)は、全産業の平均(約460万円)と比べ、必ずしも高いとは言えません。責任の重さに対して、給与が見合わないと感じるケースがあるのも事実です。(※数値はあくまで目安です)
資格を取ればバラ色、というわけではなく、むしろ専門職としての重い責任を担うスタートラインに立つということです。資格取得を目指す前に、この「仕事の難しさ」についても理解し、自分が本当にやりたいことなのかを見極めることは非常に重要ですね。
「社会福祉士は働きながら」の「難しい」壁を越える戦略
ここからは、「社会福祉士は働きながらの取得は難しい」と感じる具体的な壁、特に「実習」と「勉強法」をどう乗り越えるか、私自身の体験談も交えて詳しく解説します。ここが一番のキモかもしれません。
最大の壁「実習」は免除できる
働きながら目指す社会人にとって、最大の障壁は「相談援助実習」です。間違いありません。
新カリキュラムでは合計180時間以上(旧カリキュラムでは210時間以上)が義務付けられています。日数にして約24日間(例:3年次の9月~10月に24日間)に相当します。
一般企業でフルタイム勤務しながら、24日間もの連続した休暇(あるいは分割したとしても、まとまった期間の休暇)を取得するのは、非現実的です。体験談によれば、この実習のために退職を決断せざるを得なかったケースも報告されています。
しかし、この最大の壁を回避する「実習免除」というルートが存在します。
これは、養成施設への入学時点で、厚生労働省が指定する施設・事業において「相談援助の実務経験」が1年以上ある場合、この180時間(24日間)の相談援助実習が免除されるというものです。
もし実習が免除になれば、費用(約18万円前後)と期間(24日間)の両方を大幅に削減できます。これは、働きながら目指す人にとって、本当に大きな違いです。
実習免除になる実務経験とは
では、具体的にどのような仕事が「相談援助の実務経験」として認められるのでしょうか。
これは「勤務先の施設の種類」と「ご自身の職種名」の両方が、社会福祉振興・試験センターの示すリストに合致するかによって、非常に厳密に判断されます。
実習免除対象となる職種(抜粋)
※あくまで一例です。詳細は必ずご自身で確認してください。
- 高齢者分野:介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)の「生活相談員」「支援相談員」、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターの「介護支援専門員(ケアマネジャー)」など
- 障害者分野:障害者支援施設(施設入所支援、生活介護等)の「生活支援員」「職業指導員」「サービス提供責任者」、共同生活援助(グループホーム)の「世話人」、計画相談支援事業所の「相談支援専門員」など
- 児童分野:児童養護施設の「児童指導員」「保育士」、障害児入所施設の「児童指導員」、放課後等デイサービス事業の「児童発達支援管理責任者」など
- 医療分野:病院・診療所の「相談員(医療ソーシャルワーカー)」
- その他:福祉事務所の「査察指導員」「現業員(ケースワーカー)」、社会福祉協議会の「相談援助業務を行う職員」、生活困窮者自立相談支援機関の「相談支援員」など
【最重要】実務経験の自己判断は絶対にNG!
この「実務経験」の範囲は非常に細かく、また法改正によっても変更される可能性があります。「自分は生活支援員だから大丈夫だろう」といった自己判断は非常に危険です。
万が一、免除されると思って養成施設に入学したのに「対象外でした」となった場合、180時間の実習(=退職)か、資格取得自体を諦めるか、という最悪の選択を迫られかねません。
ご自身の経歴が該当するかどうかは、必ず受験を希望する年度の「受験の手引き」を確認するか、入学を検討している養成施設、または管轄の都道府県、あるいは社会福祉振興・試験センターにご自身で直接問い合わせて、明確な確認を取ってください。
筆者の体験談:通勤で合格

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ここからは、私自身の体験談をもう少し詳しくお話しします。
何を隠そう、私も福祉施設で働きながら社会福祉士(と介護支援専門員)に合格しました。本当に、学生時代はまったく勉強せず、テストは0点・30点当たり前の「落ちこぼれ」でした。だから、社会人になって「勉強するぞ!」と決意したものの、そもそも勉強のやり方が分からなかったんです。
1回目の試験は、勉強のやり方すら分からず、とりあえず分厚い参考書を読んで受験し、見事に不合格でした。当たり前ですよね。
そこで2回目は、「勉強法」から学び直すことにしました。エビングハウスの忘却曲線とか、マインドマップとか、色々と試して試行錯誤しました。
そんな私にとって一番効果があったのが、片道40分(往復で約1時間20分)の「車通勤時間」を活用した学習です。仕事が終わって疲れた頭で机に向かうのは辛かったので、「ながら勉強」を戦略的に取り入れました。
当時はユーキャンの教材を使っていたのですが、その講義CDを車内でひたすら聴き流し、耳から覚えることを徹底しました。そして休日は、溜まった知識を確認するために過去問を解く、というサイクルです。この「平日インプット(耳)+休日アウトプット(過去問)」のサイクルが自分には合っていたようで、無事合格につながりました。
落ちこぼれでも受かる勉強法
私は学生時代、本当に勉強ができませんでした。運動もせず、バイトや部活ばかり。勉強のやり方を知らなかったんです。
そんな私が1回目の不合格で学んだのは、「インプット(読む・聴く)」だけではダメで、「アウトプット(解く)」の訓練が不可欠だということです。
特に2回目の挑戦では、「時間配分」を徹底的に訓練しました。1回目の試験で時間が足りなくなったという、苦い反省からです。
私が実践した「時間配分」トレーニング
- 過去問を解く際に、「1問あたり何分まで」(例:1問2分)とストップウォッチで厳密に計測する。
- その時間が来たら、たとえ解いている途中でも、迷っていても、強制的に次の問題に進むクセをつける。
- まずは全問を時間内に「触れる」ことを最優先にする。
- これを過去問5年分などで繰り返し、試験全体を時間内に終えるペースを体に染み込ませる。
この訓練のおかげで、本番では「時間が足りないかも」という焦りがなくなり、落ち着いて全問を解ききることができました。勉強が苦手な人ほど、知識の詰め込みだけでなく、こうした「試験の解き方」の訓練が重要かもしれません。
スキマ時間で「思い出す」訓練
机に向かうだけが勉強ではありません。
私が通勤時間(インプット)以外にも意識していたのが、「思い出す(アウトプットする)訓練」です。これは教材がなくても、どこでもできます。
例えば、仕事の合間やトイレの中、入浴中など、手元に教材がない時に「あれ、昨日勉強した内容って何だっけ?」「エビングハウスの忘却曲線ってどんなグラフだったかな?」「ソーシャルワークの原則って誰だっけ?」と、頭の中で必死に記憶をたぐり寄せるんです。
すぐには思い出せなくてもどかしいんですが、この「うーん」と考える時間こそが、脳に「この情報は重要だ」と認識させ、記憶を定着させるのに非常に効果的でした。これは「アクティブ・リコール」と呼ばれる学習法に近いですね。
独学と通信講座どちらが有利?
働きながらの挑戦では、「独学」か「通信講座」か、というのも悩みどころですよね。これは一長一短あります。
私自身は、通信講座(具体的にはユーキャン)を活用しました。なぜなら、シンプルにお金がなかったからです。
学校に通うような金銭的余裕はまったくありませんでした。当時の私は正社員になることができず、お給料も15万円を切っていました。持っている資格といえばヘルパー2級くらい。
だから、通信講座の中でも値段が手頃だったユーキャンを選び、とにかく経費を節約して勉強するしかなかったんです。
当時の私の切実な状況(25歳の頃)
- 非正規雇用で、月給は15万円以下。
- 資格はヘルパー2級のみ。
- 「ここで受からないと、一生正職員にはなれないかもしれない」
- 「今の境遇が悔しくてたまらない」
この「悔しさ」と「必死さ」が、私にとっては何よりのモチベーションでした。もし独学で教材選びに迷っていたら、心が折れていたかもしれません。
時間的制約があり、私のように金銭的余裕も限られている社会人にとって、コストパフォーマンスと学習効率のバランスが取れた通信講座は、強力な選択肢になると思います。
もちろん、独学で合格される方もいますが、教材選びやスケジュール管理に悩む時間を、勉強そのものに充てられるのが通信講座のメリットですね。
結論:「社会福祉士試験は働きながら合格は難しい」は克服可能

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ここまで見てきたように、「社会福祉士 働きながら 難しい」という課題は、複数の壁から成り立っていますが、一つひとつ戦略を立てれば、十分に克服可能です。
かつての「合格率30%の壁」は、今や「合格率50%台」となり、正しい対策がしやすい試験に変化しています。
最大の難関だった「実習」も、現職が福祉・介護・医療現場で1年以上の相談援助経験があれば「免除」という明確な回避ルートがあります。(※ただし、該当確認は慎重に!)
「勉強時間」も、スキマ時間の活用や「ながら勉強」、そして私のような「落ちこぼれ」でもできた時間配分トレーニングなど、やり方次第で捻出できます。
私の同僚が45歳で合格したように、年齢は関係ありません。むしろ、年齢に合った「勉強法」と「やる気」さえあれば、何歳からでも挑戦できます。
私自身、月給15万以下・非正規という状況から、「ここで変わらないと一生このままだ」という悔しさをバネに、通信講座とスキマ時間学習で合格を掴みました。
もちろん、資格取得後の「仕事の難しさ」(業務負荷や精神的負担)は依然として存在します。しかし、資格はキャリアアップや転職、専門職としての信頼を得るための強力な武器になります。
「高い給与」だけを第一に求めるなら「やめとけ」という意見も一理ありますが、「専門職としてのキャリア」や「社会貢献性」、そして「今の状況を変えたい」と願う方にとって、社会福祉士は働きながらでも挑戦する価値のある資格だと、私は強く思います。