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介護福祉士から社会福祉士へ!最短ルートと働きながら合格する戦略

こんにちは。福祉キャリア羅針盤、運営者の「福祉屋」です。

「今のまま介護現場で定年まで働けるだろうか」そんなふうに体力の限界や将来への不安を感じて、介護福祉士から社会福祉士へのステップアップを考え始めたのではないでしょうか。あるいは、現場で利用者さんと関わる中で「もっと制度のことがわかれば、この人の生活を支えられるのに」と、ソーシャルワークへの興味が湧いてきたのかもしれません。しかし、いざ調べ始めると「実務経験の計算が複雑でわからない」「高卒からだと何年かかるの?」「働きながらの試験勉強は無理」といった疑問や壁にぶつかってしまいますよね。この記事では、私自身の経験や最新の制度に基づき、最短で資格を取得するためのルートや、働きながら合格するための具体的な戦略を包み隠さずお話しします。

  • 現在の学歴や保有資格に応じた最適な資格取得ルート
  • 介護福祉士の経験を無駄にしない実習免除の仕組み
  • 働きながら一発合格するための現実的な学習スケジュール
  • ダブルライセンスがもたらす年収アップとキャリアの広がり

介護福祉士から社会福祉士へのルートと受験資格

介護福祉士から社会福祉士へのルートと受験資格

福祉キャリア羅針盤イメージ

社会福祉士の受験資格を得るための道のりは、まるで迷路のように複雑です。「自分はどのルートに当てはまるのか」を正しく理解することが、合格への第一歩となります。ここでは、最終学歴やこれまでの経験に合わせて、あなたが選ぶべき道筋を整理してお伝えします。

高卒でも目指せる資格取得ルートの解説

「最終学歴が高卒だから、国家資格なんて夢のまた夢…」そんなふうに諦めてしまっている介護職の方がいたら、声を大にして言わせてください。高卒からでも、社会福祉士は十分に目指せます。実際に、私が現場で見てきた中でも、高卒から叩き上げで施設長や独立型社会福祉士として活躍している方はたくさんいます。

高卒の方が社会福祉士の受験資格を得るためには、大きく分けて2つのメインルートと、知る人ぞ知る裏ルート的な戦略が存在します。それぞれのメリット・デメリットを深く理解して、自分に合った道を選びましょう。

1. 相談援助実務経験4年 + 一般養成施設(1年以上)

これが最も一般的かつ、経済的な負担を抑えられるルートです。大学に行かずに「現場経験」で学歴の壁を突破する方法と言えます。

  • プロセス:指定施設にて「相談援助業務」を4年間行う → 一般養成施設(通信課程など)に1年以上通う → 受験資格獲得。
  • メリット:4年制大学に通う学費(数百万円)がかからない。働きながらキャリアを継続できる。
  • デメリット:最短でも5年かかる。「ただの介護職」としての経験はカウントされないため、職種転換が必要。

ここで最大のハードルとなるのが、「今の職場で相談員になれるか」という点です。もし現在の施設で、介護福祉士資格だけで生活相談員に登用してくれる制度があるなら、迷わず手を挙げてください。それが最短ルートへの切符になります。

2. 福祉系通信制大学(4年)への入学

「今の職場では相談員になれない」「転職もすぐには難しい」という場合、あるいは「どうせなら大卒資格も欲しい」という方には、このルートが確実です。

  • プロセス:福祉系の通信制大学に入学し、4年間かけて卒業と同時に受験資格を得る。
  • メリット:実務経験がゼロでも受験可能。「学士」の学位が手に入り、将来の転職や昇進で有利になる。
  • デメリット:4年間の学費と、卒業論文や単位取得のための学習時間の確保が必要。

知っておきたい「社会福祉主事」を経由するバイパス戦略

実は、もう一つ現実的な戦略があります。それは通信教育(1年)などで先に「社会福祉主事任用資格」を取得してしまうことです。
多くの自治体や施設では、「生活相談員の要件」として「社会福祉主事任用資格」を認めています。つまり、高卒の介護福祉士がまず通信でサクッと主事資格を取り、それを武器に施設内で相談員に異動。そこから実務経験を積み上げて社会福祉士を目指すという「わらしべ長者」的な戦略です。これなら、いきなり4年制大学に行くよりもハードルを下げつつ、着実にステップアップできます。

ルート 期間(最短) 費用感 こんな人におすすめ
実務経験重視 実務4年+養成校1年 低(養成校代のみ) 職場で相談員になれる人
大学進学 大学4年 高(大学学費) 大卒資格も欲しい人
主事経由 主事1年+実務+養成校 今の資格では相談員になれない人

最短で合格を目指すための学習期間

最短で合格を目指すための学習期間

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「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、資格取得もモチベーションが高いうちに短期決戦で挑むのが成功の秘訣です。では、具体的にどのくらいの期間を見積もっておくべきでしょうか。ここでは、養成施設への入学から国家試験当日までのタイムラインを具体的にシミュレーションしてみましょう。

一般養成施設(通信課程)の標準スケジュール

すでに大学を卒業している方や、必要な実務経験を満たした高卒・短大卒の方が通う「一般養成施設(通信)」は、通常1年6ヶ月〜1年9ヶ月のカリキュラムが組まれています。

  • 4月:入学・学習開始
    自宅に大量のテキストが届き、レポート課題との戦いが始まります。月に数本のレポートを提出しながら、基礎知識をインプットしていきます。
  • 夏〜秋:スクーリング(面接授業)
    数日間、学校に通って直接講義を受けたり、グループワークを行ったりします。同じ目標を持つ仲間と出会える貴重な機会です。
  • 翌年夏〜秋:現場実習(※免除対象外の場合)
    約1ヶ月間、施設や機関で実習を行います。働きながらの場合、ここが最大の山場となります。
  • 翌年12月:養成施設修了
    卒業試験などを経て、受験資格が確定します。
  • 翌年2月上旬:国家試験本番
    いよいよ決戦の日です。
  • 翌年3月:合格発表

このように、思い立ってから資格証を手にするまでには、足掛け2年近くかかります。「来年すぐに取りたい!」と思っても、養成施設の入学時期が決まっているため、計画的な行動が必要です。

最短で合格を目指すための学習期間

「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、資格取得もモチベーションが高いうちに短期決戦で挑むのが成功の秘訣です。では、具体的にどのくらいの期間を見積もっておくべきでしょうか。ここでは、養成施設への入学から国家試験当日までのタイムラインを具体的にシミュレーションしてみましょう。

一般養成施設(通信課程)の標準スケジュール

すでに大学を卒業している方や、必要な実務経験を満たした高卒・短大卒の方が通う「一般養成施設(通信)」は、通常1年6ヶ月〜1年9ヶ月のカリキュラムが組まれています。

  • 4月:入学・学習開始
    自宅に大量のテキストが届き、レポート課題との戦いが始まります。月に数本のレポートを提出しながら、基礎知識をインプットしていきます。
  • 夏〜秋:スクーリング(面接授業)
    数日間、学校に通って直接講義を受けたり、グループワークを行ったりします。同じ目標を持つ仲間と出会える貴重な機会です。
  • 翌年夏〜秋:現場実習(※免除対象外の場合)
    約1ヶ月間、施設や機関で実習を行います。働きながらの場合、ここが最大の山場となります。
  • 翌年12月:養成施設修了
    卒業試験などを経て、受験資格が確定します。
  • 翌年2月上旬:国家試験本番
    いよいよ決戦の日です。
  • 翌年3月:合格発表

このように、思い立ってから資格証を手にするまでには、足掛け2年近くかかります。「来年すぐに取りたい!」と思っても、養成施設の入学時期が決まっているため、計画的な行動が必要です。

合格に必要な学習時間「300時間の壁」

社会福祉士試験に合格するためには、養成施設の課題とは別に、試験対策として約300時間の学習が必要だと言われています。
「300時間」と聞くと途方もなく感じるかもしれませんが、これを試験前の6ヶ月(約180日)で割ると、1日あたり約1.6時間です。

働きながら毎日2時間を確保するのは大変ですが、以下のように細切れ時間を積み上げれば不可能ではありません。

  • 通勤時間(往復):40分(スマホアプリで過去問)
  • 昼休み:20分(参考書を読む)
  • 帰宅後・早朝:40分(机に向かって問題を解く)

特に年齢を重ねてからの挑戦では、記憶力の低下や仕事の責任増加といった壁も立ちはだかります。「30代・40代からでも本当に間に合うのか?」「具体的な時間管理術をもっと知りたい」という方は、ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。年齢別の合格戦略や、より詳細なスケジュールの組み方を解説しています。

社会福祉士を35歳から目指す現実と最短ルート:働きながら合格する具体的スケジュール

私自身の経験からも言えますが、ダラダラと何年も勉強するよりも、「この1年で絶対に決める」と覚悟を決めて、短期間に集中投下した方が合格率は高まります。特に介護現場で働いていると、夜勤明けや連勤で勉強できない日も出てきます。だからこそ、「毎日完璧にやる」のではなく、「1週間でトータル10時間やる」といった柔軟な計画が必要です。

注意:申し込み時期を逃さない!
多くの一般養成施設は、4月入学の出願受付を前年の秋(10月〜12月頃)から開始します。人気のある通信課程はすぐに定員が埋まってしまうこともあるため、「受けようかな」と思ったらすぐに資料請求をしておくことが、最短ルートに乗るための最初のミッションです。

「介護業務」と「相談援助業務」の決定的な違い

社会福祉士の受験資格における実務経験とは、利用者様に対する「相談」「助言」「指導」「連絡調整」などの業務を指します。具体的には以下のような業務です。

  • 入所希望者や家族との面談、受入調整
  • ケアプラン(サービス計画)作成に関わるアセスメントやモニタリング
  • 退所後の生活に向けた地域資源との連携
  • 苦情対応や権利擁護に関する相談

一方で、以下の業務は原則として実務経験に含まれません。

  • 入浴、排泄、食事などの直接処遇(身体介護)
  • レクリエーションの実施
  • 送迎車の運転
  • 単なる受付業務や経理事務

つまり、特別養護老人ホームでどれだけ素晴らしい介護をしていても、職種が「介護職員」である限り、社会福祉士の実務経験は1日たりともカウントされないのが原則なのです。

実務経験として認められる具体的な職種名

では、どのような肩書きであれば認められるのでしょうか。指定施設において、以下の職種で辞令を受けている必要があります。

  • 高齢者分野:生活相談員、支援相談員
  • 障害者分野:生活支援員(※要件注意)、就労支援員、相談支援専門員
  • 児童分野:児童指導員、保育士(※施設種別による)、家庭支援専門相談員
  • 医療分野:医療ソーシャルワーカー(MSW)
  • 地域・行政:福祉活動専門員、査察指導員、老人福祉指導主事 (※自治体によって名称は異なります)

特に注意が必要なのが、障害者支援施設の「生活支援員」です。これは施設によって身体介護がメインの場合と、相談援助を含む場合があります。実務経験証明書に「相談援助業務を行っていた」と施設長が証明できるかどうかが分かれ目となります。

「兼務」というグレーゾーンを攻略する

小規模なデイサービスやグループホームでは、「介護職員 兼 生活相談員」として働いている方も多いでしょう。この場合、実務経験として認められるのでしょうか?
答えは「条件付きで認められます」

重要なのは、辞令や雇用契約書において「相談援助業務を含む」ことが明記されており、かつ業務の実態として相談援助を行っていることです。受験申し込み時に提出する「実務経験証明書」には、施設代表者印が必要です。施設長が「あなたは介護もしていたけど、相談員としての業務も主として行っていたね」と認めてハンコを押してくれる関係性が必須となります。

もし現在、兼務状態で働いているなら、将来的に証明書が必要になることを早めに施設側に伝え、業務日誌などで相談業務の記録を残しておくことを強くおすすめします。

通信課程の養成施設を選ぶポイント

働きながら社会福祉士を目指す方にとって、「どの養成施設(通信制)を選ぶか」は死活問題です。学費の安さだけで選ぶと、後で「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。私の周りの合格者たちの声をもとに、失敗しない学校選びの基準をお伝えします。

1. スクーリングの負担(日程と場所)

通信課程といっても、すべての学習が自宅で完結するわけではありません。法律で定められた時間数の「スクーリング(面接授業)」を受ける義務があります。
チェックすべきは以下の点です。

  • 通学日数:年間で何日学校に行く必要があるか(5日〜10日程度が一般的)。
  • 開催時期:土日祝日中心か、平日集中型か。自分のシフト調整がしやすい方を選びましょう。
  • 開催場所:自宅から通える距離か。遠方の場合は宿泊費や交通費が別途かさみます。
  • オンライン対応:近年は一部のスクーリングをZoomなどで実施する学校も増えています。地方在住者には大きなメリットです。

2. 「一般養成」と「短期養成」の違い

ここを間違えて出願してしまう方が後を絶ちません。自分がどちらのコースに該当するのか、フローチャート的に確認しましょう。

コース名 期間 対象者(主な例) 備考
短期養成施設 9ヶ月以上
(約1年)
・福祉系大学で基礎科目を履修済みの人
・社会福祉主事 + 相談実務2年
・児童福祉司などの実務4年
※ただの介護福祉士は対象外
カリキュラムが免除され、期間が短い。
一般養成施設 1年以上
(約1年半)
・一般大学(4年制)卒業者
・一般短大卒 + 実務1〜2年
・高卒 + 実務4年
※多くの介護福祉士はこちら
基礎からすべて学ぶコース。

「介護福祉士があるから短期でいける!」というのはよくある誤解です。介護福祉士資格単体では短期養成施設の入学要件にはなりません。自分が「一般養成」対象なのか、もし社会福祉主事などを持っていれば「短期養成」が使えるのか、募集要項を隅々まで確認してください。

3. 実習の配属先は「自己開拓」か「学校指定」か

実習が必要な方(免除対象外の方)にとって、これが最も重要です。
一部の通信課程では、実習先を「学生自身で見つけて交渉してください(自己開拓)」というスタンスを取っています。働きながら実習先を探し、電話をかけて断られ続ける…というのは精神的にかなり削られます。
一方で、「実習先は学校が提携先を紹介・調整します」という学校もあります。多少学費が高くても、サポートの手厚い学校を選んだ方が、途中で挫折するリスクは格段に下がります。

実習免除を受けるための条件と手続き

実習免除を受けるための条件と手続き

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介護福祉士から社会福祉士を目指す皆さんにとって、最大の特権であり、最強のカードがこの「実習免除」です。制度改正により、社会福祉士の実習時間は従来の180時間から240時間へと大幅に増加しました。働きながら1ヶ月半近く職場を空けるのは、現実的にほぼ不可能です。

しかし、以下の条件を満たせば、この240時間の実習と、それに伴う事前事後指導がすべて免除されます。

実習免除の絶対条件

条件はシンプルですが厳格です。
「入学時点で、指定施設における相談援助実務経験が1年以上あること」

ここでもやはり「相談援助業務」であることが必須です。介護職員として10年働いていても免除にはなりません。しかし、もしあなたが現在、特養の生活相談員や、地域包括の職員として働いているなら、1年経過した時点で実習免除の権利が発生します。

実習免除がもたらす巨大なメリット

  1. 時間の節約:240時間の実習+数日間の実習指導がなくなるため、有給休暇を使い果たす心配がありません。
  2. 費用の節約:実習費(15万円〜20万円程度)がかかりません。学費総額が大幅に安くなります。
  3. 精神的余裕:実習日誌や実習先への気遣いから解放され、試験勉強だけに集中できます。

戦略:あえて1年待つ勇気

もし現在、介護職から相談員に異動したばかりであれば、すぐに養成施設に入学せず、「1年待って実務経験を満たしてから入学する」というのも賢い戦略です。
実習ありで入学してしまうと、仕事と実習の両立で疲弊し、肝心の国家試験対策がおろそかになりがちです。急がば回れ。まずは現場で相談員としての経験を1年積み、実習免除の資格を得てから養成施設に入ることで、合格への確率はグッと高まります。

介護福祉士から社会福祉士になるメリットと対策

介護福祉士から社会福祉士になるメリットと対策

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「勉強も大変だし、お金もかかる。それでも取る意味はあるの?」そう迷う気持ちもわかります。しかし、これからの福祉業界において、ダブルライセンスは強力な武器になります。ここでは、具体的なメリットと、確実に合格するための戦略についてお話しします。

資格取得による年収とキャリアのメリット

きれいごと抜きで、お金の話をしましょう。自己投資に見合うリターンがあるのか、シビアに検証します。

1. 資格手当と基本給のベースアップ

社会福祉士を取得すると、多くの法人で資格手当が支給されます。相場としては月額10,000円〜30,000円程度。これだけで年間12万〜36万円の年収アップです。
さらに大きいのは、職種転換による基本給の向上です。介護職員の処遇改善手当も手厚いですが、生活相談員や地域包括支援センター職員、医療ソーシャルワーカー(MSW)は、基本給自体が高めに設定されている傾向があります。特にMSWや行政職(公務員)への転職を視野に入れた場合、年収400万〜500万円スタートも夢ではありません。

2. 体力的な限界へのリスクヘッジ

介護職はどうしても身体的な負担が大きく、腰痛などで現場を離れざるを得ないリスクがあります。社会福祉士資格を持っていれば、現場での身体介護が難しくなっても、「相談業務」や「管理業務」という形で福祉に関わり続けることができます。
「定年まで安心して働けるチケット」を手に入れること、それがこの資格の最大の経済的価値かもしれません。

3. 管理職へのパスポート

施設長やセンター長などの管理職には、社会福祉士資格が要件、あるいは推奨されるケースが多くあります。現場を知る介護福祉士であり、制度を知る社会福祉士でもあるあなたは、経営者から見れば「現場と経営の橋渡しができる理想的なリーダー候補」です。管理職になれば、年収500万〜600万円クラスも見えてきます。

介護福祉士で勝ち組になるには?年収600万への現実的戦略

試験の難易度と合格率の推移

試験の難易度と合格率の推移

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「社会福祉士は難しいから…」と二の足を踏んでいる方も多いですが、最新のデータを見ると、その認識は少し古いかもしれません。

合格率56.3%の衝撃

かつて社会福祉士試験は合格率30%前後の「狭き門」でした。しかし、直近の第37回試験(2025年実施)では、なんと合格率56.3%を記録しました。(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター『社会福祉士国家試験合格発表』

この背景には、問題の質の変化があります。以前のような「重箱の隅をつつくような奇問」が減り、しっかり勉強した人が報われる「良問」が増えています。また、受験者層のレベルアップ(養成教育の質向上)も要因の一つでしょう。

決して「簡単」ではないが「努力が裏切らない」試験へ

合格率が上がったとはいえ、範囲は膨大(19科目群)です。なめてかかれば落ちます。しかし、「落とすための試験」から「基準を満たした人を合格させる試験」へとシフトしているのは間違いありません。
介護福祉士試験を突破したあなたなら、勉強の習慣さえ取り戻せば、十分に太刀打ちできるレベルです。

働きながら一発合格する勉強スケジュール

仕事をしながらの勉強は、時間との戦いです。限られた時間で最大効率を出すための「勝利の方程式」をお伝えします。

フェーズ1:インプットと過去問の並走(4月〜8月)

養成施設のレポート課題をこなしながら、並行して国家試験対策を始めます。この時期は「深く理解する」よりも「用語に慣れる」ことが目的です。

  • アクション:スマホアプリで過去問の一問一答を通勤中にポチポチ解く。
  • 意識すること:「へぇ、こんな制度があるんだ」程度でOK。嫌にならないことが最優先。

フェーズ2:過去問3周と傾向分析(9月〜11月)

レポートが落ち着いてきたら、本格的な受験モードに入ります。ここでの主役は「過去問解説集」です。

  • アクション:過去3〜5年分の過去問を解く。大事なのは「正解すること」ではなく、「解説を読んで理解すること」。
  • 意識すること:「なぜこの選択肢は間違いなのか」を説明できるようにする。介護福祉士試験と被る科目(高齢者福祉、障害者福祉)は得点源にする。

フェーズ3:0点科目回避と総仕上げ(12月〜1月)

社会福祉士試験最大の恐怖、それが「0点科目による足切り」です。総合点が合格ラインを超えていても、1科目でも0点があれば不合格になります。
苦手な科目(「権利擁護」や「社会調査」などが鬼門になりがち)ほど、直前期に詰め込んで1点でも取れるように対策します。

合格のコツ:
完璧を目指さないこと。満点合格もギリギリ合格も、資格証の価値は同じです。6割取れれば合格なのですから、難しい歴史年号の暗記などに時間を使いすぎず、頻出問題を確実に解けるようにしましょう。

費用を抑える教育訓練給付金の使い方

費用を抑える教育訓練給付金の使い方

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「資格は取りたいけど、学費が高い…」そんな悩みを一発で解決する神制度があります。それが厚生労働省の「専門実践教育訓練給付金」です。
これは、雇用保険に加入している労働者が、厚生労働大臣指定の講座を受講した場合、費用の一部が支給される制度です。

最大70%が戻ってくる驚異の還元率

一般的な一般養成施設(通信)の学費が約40万〜50万円だとしましょう。

  • 受講中:費用の50%が支給されます。(例:25万円支給)
  • 修了後:資格を取得し、修了後1年以内に被保険者として雇用されれば、さらに20%が追加支給されます。(例:10万円支給)

つまり、トータルで70%(35万円)が戻ってくるため、実質の自己負担額は10万円〜15万円程度で済む計算になります。これなら、資格手当1年分で余裕で回収できます。

手続きの注意点:ハローワークへ急げ!

この制度を利用するには、受講開始の1ヶ月前までに管轄のハローワークで手続き(キャリアコンサルティングなど)を完了させる必要があります。
「入学してから申請すればいいや」では手遅れです。養成施設への出願と同時に、まずはハローワークに行って「専門実践教育訓練給付金を使いたい」と相談してください。これが数万円の損得ではなく、数十万円の損得に関わる最重要アクションです。

ダブルライセンスで広がる活躍の場

ダブルライセンスで広がる活躍の場

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最後に、あなたが目指している「介護福祉士 × 社会福祉士」というダブルライセンス保持者が、いかに市場価値の高い人材であるかをお伝えします。

純粋なソーシャルワーカー(社会福祉士のみ)は、制度や法律には詳しいですが、現場のリアルな大変さを肌感覚で知らないことがあります。
「排泄介助にどれだけの時間がかかるか」「認知症の方の食事拒否にどう対応するか」「夜勤明けのスタッフがどれだけ疲弊しているか」
これらを知っているあなたは、ケアプランを作成する際も、現場スタッフに無理のない、かつ利用者様に寄り添った現実的なプランを提案できます。

「現場の痛み」を知るソーシャルワーカー。
これこそが、地域包括ケアシステムが求めている人材の完成形です。
就職先は特養や老健にとどまりません。社会福祉協議会で地域の権利擁護活動を担ったり、成年後見人として独立開業したり、あるいは行政の福祉課でケースワーカーとして働いたり。あなたの目の前には、今よりもずっと広い世界が広がっています。

介護福祉士から社会福祉士へのキャリアパス

今回は「介護福祉士から社会福祉士」への道のりについて、ルートの選び方から合格戦略まで徹底的に解説してきました。

正直に言えば、働きながらの資格取得は楽ではありません。休日返上でレポートを書き、眠い目をこすりながら過去問を解く日々が待っています。何度も「もう辞めたい」と思う瞬間があるでしょう。

ですが、その努力の先には、より深く、より専門的に利用者さんの人生を支えられる「誇り」と、あなた自身の生活を豊かにする「安定」が確実に待っています。介護福祉士として培った現場力に、社会福祉士としての制度力を加えれば、あなたは誰にも代えがたい福祉のプロフェッショナルになれます。

まずは今日、自分の実務経験が何年あるかを確認し、ハローワークで給付金の相談をしてみることから始めてみませんか?その小さな一歩が、あなたの福祉職としての未来を大きく変えるはずです。

※本記事のデータや制度内容は執筆時点(2025年)のものです。最新の受験資格や給付金の詳細については、必ず社会福祉振興・試験センターや厚生労働省の公式サイトをご確認ください。

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